経済活動支える仕組み必要 本屋の存在意義17 ▽BIBLE HOUSE びぶろすの森▽北九州キリスト教ブックセンター

JR阪和線堺市駅の東西に延びる長尾街道。古来から由緒あるこの道沿いは商店街でにぎわう。駅から数分ほど東に、緑を基調にした「森」の店舗が見えてくる。日本聖書協会直営のBIBLE HOUSEびぶろすの森だ。
ガラス張りの正面から絵本や文具などが見えるよう工夫しており、通りがかりの人が入ってくることもある。「購入してくださる方もいるが、キリスト教の書店だと分かると、黙って出てしまうことも。悩ましいことです」と森本一平店長。
最近雑誌の売れ行きが落ちている。「『読む記事がない』『特集が似たり寄ったり』という声があります」。また教会員に商品の情報が届かないことも課題だ。「配達でも、会えるのは牧師や伝道師、あるいは担当の信徒の方だけ。新しい書籍、グッズについて、教会全体へお知らせするのが難しい。特にコロナ禍で、信徒の皆さんが教会に来られない、来ても礼拝出席だけ、という状況が一層顕著になった。熱心な人は情報収集しているが、伝えるのは難しい」と語った。、、、、、、、

2020年9月6日号掲載記事

▽BIBLE HOUSE びぶろすの森
森本さんおすすめの書籍

やはり2018年に新たに翻訳刊行された『聖書 聖書協会共同訳』(日本聖書協会)です。以前の『聖書 新共同訳』よりも訳がよくなったと評判です。信徒に向けてより良い本を届けたいという思いが店としてありますが、日本キリスト教団出版局が刊行している「信仰生活ガイドシリーズ」が良く売れています。いのちのことば社は『夫婦となる旅路 一心同体となる霊性の成長』(豊田信行著)など夫婦、結婚関係の本が充実していて、読みやすいと好評です。
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北九州市小倉北区、北九州都市高速4号線と山陽新幹線が交わるところに北九州キリスト教ブックセンターがある。店舗はバプ連盟・富野バプテスト教会内だ。店長の原口悦子さんは、「ネットなどによって書店利用の在り方が変わり、専門店でしか買えないということはなくなった。客離れが起きている。他の書店や出版社のサイトに流れているのであれば、キリスト教出版総体は維持されるが、一般のオンラインショップに流れたのでは、業界の弱体化につながる」と危惧する。
学校向けの教科書、聖書販売などが大きな割合を占めるが、「市内にキリスト教系の女子高があるが、生徒が共学に流れ、減少していると聞く。幼稚園、保育園には別の業者が入ったりなどで難しい」と実情を話した。
コロナ禍で4月末~6月頭までは休業。定期配本のある月、木曜に荷物の受け取りと郵送だけの作業をしていた。「再び開店しても、北九州はクラスター発生が起きたこともあり、、、、、、

2020年9月6日号掲載記事

▽北九州キリスト教ブックセンター
原口さんおすすめの書籍

 『わたしはよろこんで歳をとりたい』(イェルク・ツィンク著、眞壁伍郎訳、こぐま社)は、「アンチエイジング」(いつまでも若々しさを保つ)といった発想から自由になり、自然に加齢を受け入れていくことを励まします。老木の写真もよく、かなり売れました。『にゃんこバイブル』(塩谷直也著、勝間としを絵、保育社)は面白い。文章力があるなと思わされました。にゃんこ好きの方など、にゃんこ関係の本を集める人が多く興味を持つと思います。