淡い色彩の絵画が、苦難の中で生み出された「祈りの言葉」と合わさり、静かな雰囲気が流れた。

「祈りの風景 守部喜雅・絵画展」が1月16日から東京・中央区の銀座・教文館3階・画廊ステラで始まった。

祈りの言葉の題材は、ゼーレン・キェルケゴール、ラインホルト・ニーバー、アッシジのフランシスコ、ディートリッヒ・ボンへッファー、ルドルフ・ボーレン、名もなき殉教者たち、ほか。

花、果物、風景、人影などの絵は守部氏直筆。写真や身近な物にヒントを得ているが、色鉛筆や水彩で独自の色合いを生み出した。

守部氏は、元「百万人の福音」編集長、元「クリスチャン新聞」編集長、クリスチャン新聞顧問。著書『聖書を読んだサムライたち』シリーズでも知られるが、元々はデザイナー。

それでも「40年ほとんど絵は描いていなかった」と言う。昨年春にある老婦人にキュルケゴールの祈りを添えた絵をプレゼントした際、喜ばれ、「主よ、私が認知症になっても、あなたに感謝を捧げることを忘れることがありませんように」と応答してもらったという。

それをきっかけに半年ほどで次々と絵画を描き、数年前に描いた作品を加え、展示を開けるまでになった。

色紙を使ったり、知人の幼稚園の子どもたちが描いた絵画のコピーにさらに絵を重ねる、など様々な工夫も凝らされている。

コロナ禍対策の緊急事態宣言発令中ということもあり、初日も人出は少なかったが、ふと立ち寄り絵画や書籍を購入する人もいた。

「苦難を生きた祈りの中に、信仰の証言、感謝、喜びがある。クリスチャンもこのコロナ禍の中で問われている祈りがあると思う」と話した。

展示は31日まで。

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