避難してきたウクライナ難民の家族(以下、写真提供=ハンガーゼロ)
難民の子どもたちと軽い運動をした
ハンガーゼロ・ウクライナ難民緊急支援チーム。左からジェロム、近藤、シンの各スタッフ

ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)ウクライナ難民緊急支援チームは3月22日、ポーランド入りし、活動を開始した。以下は近藤高史スタッフ(ハンガーゼロ代表)による現地報告。

チームの3人(近藤、シン・オクチョル、ジェロム・カセバ)は、首都ワルシャワから電車で2時間の距離にあるルブリン市で国際飢餓対策機構(FH)のメンバーと合流。その後、郊外のダブリンに確保した大きな一軒家「ウクライナ難民の避難所」を訪れ、避難生活している6家族(18人 )の様子を確認し、話をしたり家族の子どもたちと一緒に軽い運動をしたりした。
翌日、同じルブリン郊外に新たに確保した避難所を訪れた。同所は元会計事務所として使われていた大きな建物で、50人前後の難民を収容できる。ハンガーゼロは、この避難所運営のための資金協力をすることになった。この避難所では、難民の人たちの心のケアのため、ウクライナ人牧師による日曜礼拝も行われるという。
独自の避難所開設の目的は、最終的な行き先を決めるまでの一時的な避難場所の提供であり、人道支援センターのような第一次避難所から、もう少し小規模で落ち着いた環境で、数日から1週間ほど滞在してもらう場所でもある。「停戦後にウクライナに戻ることを考え、国境から比較的近いルブリンあたりで避難を続けたい」とのウクライナ人の思いにも応えているという。
FHの現段階での主な緊急支援活動は、①難民のための避難所の提供(ルブリンなど複数個所)、②生活に必要な物資、医薬品の輸送(ポーランドからウクライナのリビウまで。そこからの輸送はウクライナの別団体に引継ぎ、キエフ、チェルカースィ、マリウポリの協力者を通じて配布)、としている。当初予定していたスロバキアでの活動は、再検討の結果、大量の難民が避難してきているポーランドでの活動に集中することになった。

ウクライナ難民の避難所
ハンガーゼロの協力で開設されるルブリン郊外の新たな難民避難所

その後、ハンガーゼロ親善大使のソン・ソルナム氏とも合流し、NGОとして許可を受けた上で国境検問近辺の視察や、難民への物資提供のため大規模な倉庫事業を展開している、Global Empowerment Mission(GEM)も訪問した。ソルナム氏はGENとも協力関係があり、すでにウクライナ国内外への物資や医療品の提供(GEMからの無償供与)などを進めている。なおこの日の午後、GEMがポーランド前首相夫人らを来賓に迎え、支援事業についてのメディア会見が行われた。その席上、アジアから初参加の団体としてハンガーゼロも紹介していただいた。GEMはハンガリーでもさらに大規模な事業展開を行う予定で、ハンガーゼロとしてもこうした団体と連携していければと考えている。

大規模な倉庫事業を展開しているGEMを訪問。右から2人目がソン氏

ハンガーゼロでは、ウクライナ緊急支援募金を募っている。送金方法は郵便振替またはウェブサイトから直接クレジットカード決済で。【郵便振替】00170-9-68590 日本国際飢餓対策機構、ウエブサイトURL https://www.jifh.org 。記入欄に必ず「ウクライナ緊急援助」と明記。問い合わせはTel072-920-2225、ハンガーゼロ広報まで。