ワールド・ビジョン(WV)はウクライナ危機発生直後,350人の緊急支援チームを編成し、隣国ルーマニアで即座に活動を開始。国境を越えウクライナから避難してくる難民の多くは、女性と子どもたち。WVは、3月16日までに子ども5,642人を含む11,726人を支援した。

極寒のこの時期、爆撃から逃れようと長時間かけて避難してきた人々を支えるため、ルーマニア国境周辺地域で水・食糧、衛生用品を提供している。心身共に疲れ切った人々が安心して休息できるよう、暖房を備えた仮設の休憩用テントと、おもちゃなどがある子どもの遊び場を運営している。

ウクライナ国内にとどまっている人々への支援も開始した。3月初旬には2回にわたり、ウクライナ国内の市民病院に食料や生活物資を届けた。この病院は、より安全な場所を求め移動した多くの人々の避難場所となっている。缶詰、米、小麦粉、穀物、ジュース、油などの食料、オムツ、毛布、マットレス、シーツ、タオル、洗剤、掃除用品等の生活物資を提供し、避難者が最低限の生活を確保できるよう支援した。

WVは、世界各国から緊急人道支援専門のスタッフ41人を動員し、支援活動の拡大に取り組んでいる。緊急支援活動にあたるWVの中東および東欧地域の責任者、エレノア・モンビオ氏は次のように訴える。「ウクライナ危機の影響を最も受けるのは子どもたちだ。私たちは、子どもたちが避難する中、親や家族から引き離されてしまうリスクを大変危惧している。状況は急速に悪化している。世界中の紛争地でも同様、ウクライナでも避難を余儀なくされた子どもたち、特に保護者がいない子どもたちは、搾取や暴力の標的にされやすい」

食料や生活物資の提供を継続すると同時に、今後は子どもたちの保護、心理社会的ケア、教育支援も実施していく予定だ。

祈りの課題

〇避難を余儀なくされている子どもたちとその家族の身体と心の健康が守られるように。
〇恐怖の中にいる人々、生まれ育った家や愛する人を失った人々に、慰めがあるように。
〇ウクライナ、ロシア両国において、速やかに平和が訪れるように。
〇WVの支援活動が用いられるように。日本の多くの人たちが、祈りの輪に加わってくれるように。

WVジャパンでは、「ウクライナ危機緊急支援募金」を受け付けている。募金はウェブサイトURL https://www.worldvision.jp/から。

WVが設置した子どものための遊び場で休息する母親と子ども(以下・写真提供=ワールド・ビジョン・ジャパン)
ウクライナ国内に届ける支援物資を準備し運搬
紛争下で最もぜい弱な立場にある子どもたち