福島第一原発から一番近い教会として、流浪の旅を余儀なくされた保守バプ・福島第一聖書バプテスト教会の佐藤彰牧師が3月9日第12回国家晩餐祈祷会(日本CBMC主催)で、11日第12回3・11超教派一致祈祷会で、「震災で何を見たのか」の題で講演。この1年間の避難生活を振り返った。
 「私たち夫婦は『故郷』が歌えない。いつ戻れるか分からないから…」。佐藤氏は今の心境を語った。流浪の旅について「これはディアスポラか、バビロン捕囚か、夢か何かの映画か、脚本家は誰か? とも思った」という。だが、多くの人たちからの「忘れていないよ」の言葉が力になったと語る。「ホームページを立ち上げた途端、毎日20万件のヒットがあった。多くの人から見られ、祈られていた。海の向こうの人から献金もいただいた。すべてを失ったが最も豊かなものになった」
 3月末には福島県いわき市に高齢者のためのアパートが完成し、9月に5番目のチャペルが建つことも報告。故郷・大熊町の方を向き、やがての復活を待ち望みながら羽を休めている鳥をイメージした造りだという。「現状は何も変わっていない。これからもぜひ祈ってほしい」と要請した。
 国家晩餐祈祷会では、?被災地の癒しと人々の希望、?日本の政治と各界のリーダー、などのため祈りがささげられた。URL http://f1church.com/

写真=3・11超教派一致祈祷会で講演する佐藤彰氏