東日本大震災から12年 各地で3・11記念集会

東日本大震災から今年の3月11日でちょうど12年。今年も宮城、岩手、福島、東京など、各地で震災を覚える追悼会、記念集会が開かれた。昨年、一昨年はコロナ禍でオンラインのみの集会がほとんどだったが、今年は併用も含め、対面での集会も行われた。

福島では「福島3・11記念会」(福島県キリスト教連絡会〔FCC〕主催)を3月7日、須賀川シオンの丘の会場とオンライン併用で開催。大島博幸氏(バプ連盟・福島主のあしあと教会牧師)が、「福島の現状と教会」をテーマに講演した。
福島に赴任して丸5年の大島氏は、最初に日本バプテスト連盟の被災地支援の働きについて話した。「日本バプテスト連盟は震災直後から、『東日本大震災被災地支援委員会』と『現地支援委員会』を軸に、全国約300の連盟加盟教会に呼びかけ、支援活動をしてきた。しかし、『現地支援委員会』は昨年3月で宮城県、岩手県沿岸部の支援活動を終了。しかし、13ある地方連合の中の東北連合が引き続き行うことになった。また、『東日本大震災被災地支援委員会』は、2022年度からの活動を福島に特化した支援とし、放射線被害の現状を調べ、健康被害を防止していくなどの活動を、あと20年継続する。その福島のリーダーとして働きを託されている」

大島博幸氏

福島に来てからは、木田惠嗣牧師(ミッション東北・郡山キリスト福音教会)と一緒にFCC放射能対策室の活動に加わり、浜通りツアーや放射能学習会にも参加していると明かし、昨年12月に木田牧師と参加した「東京電力福島第一原子力発電所視察・座談会」(1月1、8日新年特別号で既報)の様子を語った。
「一人ひとりに線量計が渡され、約1時間、原発の構内を見学。1~2号機のあたりの空間線量は、毎時50~100マイクロシーベルトというびっくりするような値が出る。だが、ガイドの東電職員は、『大丈夫です。歯医者さんで3、4回レントゲンを撮ったと思ってください』と言う。1~3号機は今も強い放射能を出しており、人が近づけない。そんな中で廃炉作業が進められている。見学最後にALPS(多核種除去設備)処理水の説明を聞き、原発を後にして廃炉資料館に戻った」

講演、近況報告の後、2、3人に分れて祈り合う時をもった

その後の座談会では、汚染処理水の放出や土がどれだけ汚染しているかの実証実験の根底には廃炉があると考え、「廃炉とはどういう状態なのか」について質問。東電職員は「デブリ(溶けた核燃料等が冷えて固まったもの)を取り出すこと」と返答した。
「私たちは廃炉と聞くと、まっさらになって、以前のように使える状態を想像する。だが、デブリを取り出しても高汚染の原子炉、建屋が残る。受け取る人によって廃炉のイメージが違う。政府の宣伝では作業する方々のご努力で確実に廃炉に向かっていると言うが、新聞では作業の遅れの報道もなされている。実際には高汚染の廃棄物をどこに運ぶのか、どう処理をするのかも決まっていない」
大島氏は「福島には、復興と〝安心安全〟の圧力がある。いつのまにか、色々なところで〝安心安全〟という言葉が復興と共に検証されずに使われている」と危惧する。「汚染処理水にしても、十分に薄めて海に放出するから安心安全なのか。トリチウムが含まれた汚染水の放出に40年かかるのに、大丈夫だと誰が保証できるのか。だが、国も関係機関も一生懸命にやっているので安心安全だと言う。それらが圧力となり、不安に思っている人たちが声を出せない。いつのまにか分断ができてしまっている」
「教会は、分断されたどちらの側に立つのかが問われている。心の奥深いところにある思いを、そっと話せ、聞いてもらえ、一緒に考えてもらえる教会になれるかが問われている。」と結んだ。
講演後は参加者一人ひとりが自己紹介と近況報告を、その後2、3人に分れて祈りの時を持った。

2023年03月26日号 01面掲載記事)