【レビュー】『旧約聖書の基本』『旧約聖書神学』『旧約聖書と環境倫理』『「回勅ラウダート・シ」と環境保護』
『旧約聖書の基本』(トレンパー・ロングマン著、老松望・楠望・竹田満訳、いのちのことば社、2千750円税込、B6判)は、近年の聖書学の成果をふまえて旧約各書の内容・著者・時代・文学ジャンル・新約とのつながり、をまとめる。たとえばヨブ記では、ヨブと友人の対話が整理され、ヨブ記を「知恵の議論」と位置づけ、苦しみや審判の先にキリストを見いだす。
「外部」の思想や神学ではなく、旧約そのものが神学的に語ることを聖書正典全体からさぐる『旧約聖書神学』(K・シュミート、小友聡監訳、日髙貴士耶訳、教文館、8千140円税込、A5判)もヨブ記に言及。混沌と秩序の対比、推論不可能な神の意志を表現する文学形式に注目する。
人間と自然を対立させる西洋的な二元論への批判として、近年文化人類学などからは「新アニミズム」が提唱されている。
『旧約聖書と環境倫理』(マリ・ヨアスタッド著、魯恩碩訳、教文館、6千50円、A5判)は、その批判的応答となる。リチャード・ボウカムも二元論をこえた「被造物共同体」を提唱しているが、本書はそれも踏まえ、人格的自然観の視点で聖書記述を検討。ボウカム同様、ヨブ記に注目するが、本書では、「土地所有権」の観点から、人間の領土を超えた大きな文脈を示す。
環境保護については『ライフスタイルの転換に向けて、ともなる歩みを「回勅ラウダート・シ」と環境保護』(吉川まみ著、女子パウロ会、千650円、四六判)が日常で生かせる方法を聖書を基盤に勧める。
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