木浦共生園で3千人の孤児を育て上げ、韓国孤児のオモニと呼ばれたクリスチャンの田内千鶴子。今年は千鶴子の生誕100周年にあたる。この記念の年に「World Orphans Day(世界孤児の日)」制定を国連に請願しようと「田内千鶴子生誕100周年記念 国連『World Orphans Day』制定推進大会」(同事業会主催)が10月29日から31日まで、韓国ソウル市のソウル女性プラザ(29日)、木浦市の木浦市民文化体育センター(30、31日)で開催。国際シンポジウム、記念式前夜祭「愛と平和の祭典」、記念式及び国連「World Orphans Day」制定推進宣言大会など、日韓文化交流も兼ねた様々な催しが行われた。宣言大会では、国連World Orphans Day制定請願決議文が宣言された。
 大会には日本の訪韓団約500人を含め延べ千人以上が参加。木浦では、千鶴子の故郷・高知から尾正直知事、岡誠也市長が、木浦市からは丁鍾得市長が祝辞を述べた。その他、李ジョンソン100周年記念行事木浦推進委員会委員長、金泳鎮日韓キリスト教議員連盟代表会長、主催者日本側会長の阿部志郎氏(神奈川県立保健福祉大学名誉学長)などが、挨拶と祝辞を述べ、主催者韓国側代表会長の朴鍾淳氏(忠信教会元老牧師、崇実大学理事長)がメッセージをした。
 10月31日は、千鶴子の誕生日であり亡くなった日。この日に日韓の共同代表者50人が舞台に上がり、柳在乾ユネスコ協会連盟会長、辻恵衆議院議員、趙聖鐵韓国社会福祉士会会長が日韓を代表し、国連World Orphans Day制定請願決議文を朗読。読み終わると会場から割れんばかりの拍手があった。(中田 朗)

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写真右=「世界孤児の日」制定請願決議文は、ユ・ジェゴン(ユネスコ協会連盟会長)、辻恵(衆議院議員)、チョ・ソンチョル(韓国社会福祉士会会長)の3氏が日韓を代表して交互に読み上げた

写真下=宣言の後挨拶する、田内千鶴子の長男で国連「世界孤児の日」制定推進の発起人・田内基氏