11月20日から始まった首都圏の諸教会とビリー・グラハム伝道協会(BGEA)の協力による伝道集会「セレブレーションオブラブwith フランクリン・グラハム」が22日で終了しました。

9月27日号から6回にわたって掲載した連載から大会後の教会協力についても語られた最終回を全文掲載。

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大井氏web
首都圏の諸教会とビリー・グラハム伝道協会(BGEA)の協力による伝道集会「セレブレーションオブラブwith フランクリン・グラハム」(以下セレブレーション、11月20〜22日、日本武道館)を前に、首都圏の宣教を考えるこの連載では、5回にわたり、セレブレーションのスタッフや協力教会に首都圏の課題を聞いてきた。

信徒に学びのニーズがあること(第1回)、トップダウンではなく自発的であること(第2回ほか)、日常的に地域と関わること(第3回)、宣教協力の難しさと必要(第4、5回)など様々なテーマが浮かび上がった。共通に語られたことは、大会本番で終わらせず、「大会後」に期待していたことだ。連載最終回は、セレブレーション運営マネージャーで、キリスト合同・板橋教会牧師の大井満さんに聞く。【高橋良知】

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「セレブレーションは、決して11月の3日間だけで終わるものではない」と言う。セレブレーションでは、全体の力配分を100とすると、準備に45、本番に10、フォローアップに45をかけていくとしている。「大会後の45を本当に実現するために、何らかの働きを継続していきたい。すでに実行委員会では、大会後の働きについて幅広く相談を始めています」

そもそも首都圏での大会は、2011年の、BGEAによる打診がきっかけだ。それに応じて、首都圏の有志による「ミッションNOW」が立ち上がった。「重視したのは教派教団を超えた宣教協力により、首都圏で一人でも多くの人々が福音に触れて欲しいということでした。集会は、1つの手段ととらえました」。一時、集会が延期することもあったが、定期的に集まり、情報交換は続けていた。

改めて大会が15年に計画されるようになると、ミッションNOWの人脈で、新たに「ミッション2015」を結成した。

10月中には、協力教会は400を超えた。「首都圏に2千の教会がある中で、少ないようだが十分影響力のある数」と言う。また、大会前に実施され、好評だった信徒向けセミナー「クリスチャンの生活と証しコース」を、大会後にも実施する教会があってもいいと勧めた。

1994年に東京・文京区の東京ドームで開催されたビリー・グラハム伝道大会では、フォローアップ委員会の書記として、準備段階から大会運営に関わっていた。「パソコンが一般に導入されたばかり。大会本番では、決心者カードのデータ処理をして、翌日教会に発送した」と当時を振り返る。「大会を通じて得た同世代、先輩たちとの主にある交わりは今でも大きな財産」と感謝した。

さらに教会にとっての財産は、子どもたちの救いだった。当時は開拓教会で奉仕していたが、母教会であり、現在牧会する板橋教会の子どもたちが、決心の招きに応じて出て行く姿を見た。「これには感激しました。さらに、この子たちが、今や30代になり、開拓教会や板橋教会で、とても頼もしい働きをしているのです」。そして、「今回のセレブレーションでも招きに応じた子どもたちが、10年、20年後、教会を支える存在になることを夢見ています」と期待する。スタッフとしての働きにおいても、若い世代を巻き込み、伝道の働きの喜びを見いだしてもらうことを重視してきた。

日頃の牧会、セレブレーションの準備の中で、首都圏の課題も考えている。「多くの教団教派の本部があり、先生方は忙しい。自分の教会のみならず宣教協力にたずさわるには、負担ではなく、喜びを共有することが大事ではないか」と言う。

首都圏という範囲も広大だ。「東京、神奈川、千葉、埼玉が中心になるが、茨城、栃木、群馬、長野にも協力教会がある。非常に多様で地域ごとに課題は違う。地方都市の課題もある。今回は首都圏へ向けた働きだが、今後は地方都市、農村、漁村の課題にも目を向けていく必要がある」と話した。

首都圏では、今後20〜30年内に起こると言われる首都直下型地震は具体的な脅威だが、ここにも教会協力が生きてくる。板橋区の教会では、教派を超えて「いたばし教会防災ネットワーク」を立ち上げている。「教会が地域で仕える宣教の意識が東日本大震災後、重視された。ひとたび災害が起きると、遠くの同じ教派教団の教会よりも、近くの他教派・教団の教会の方が助けになる。牧師会を持ち回りにして、日頃から地域の教会を知り、顔見知りになることは災害のみならず重要です」

「宣教協力によって、閉塞感が言われている教会が、もう一度元気を取り戻し活性化していってほしい。真面目になりすぎて疲れてしまうのではなく、主にある本当の喜びをもって、楽しんでできる伝道の働きになればと思います」

 

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