韓国の主要教団から異端カルトと認定されている朴玉洙(パク・オクス)牧師による「国際交流と聖書が奏でる心の世界」のイベント案内チラシが、首都圏の諸教会に届いている。9月16日(月)から18日(水)、四谷区民ホールにおいて入場無料で開催されるもの。

朴玉洙牧師は、現在韓国で猛威をふるっている異端グループの一つといわれる「救援派(クオンパ)」の教祖。このグループは、日本では「グッドニュース宣教会」「喜びのニュース宣教会」「IYF(特別非営利活動法人国際青少年連合)」の名称で活動している。救援派は、1,本当の救いは「救いを悟る」ことによってのみ得られる、2,救いを悟っていない多くのクリスチャンは救われていない、3,自分を「罪人」と思っている多くのクリスチャンは死後地獄に行く、などと主張する。

おもにクリスチャンを対象に伝道する。「あなたは義人ですか? 罪人ですか?」と質問し、「罪人です」と答えると、「あなたは本当の救いを得ていないから地獄に行く」と不安をあおり、自分たちの教えに引き込むのが手口。異端問題関係者は、「チラシを見て集会に出席する教会員がいると危険なので、注意が必要」と警告している。

クリスチャン新聞2010年6月20日号で、教義や手口を詳報した。


2010年06月20日号: ◎猛威をふるう韓国発異端③:異質な“救い”「クオンパ」と教祖を神格化「万民教会」 記・根田祥一

韓国で勢力を伸ばす異端がキリスト教会に分裂や混乱を引き起こし、信者の流出を招くなど深刻な被害が出ていることを重く見た「在日韓国基督教総協議会」異端対策委員会は、今年2月と5月に相次いで韓国から異端問題の専門家を招き、集中研修を受けた。韓国基督教総連合会(CCK)異端対策委員会専門委員のパク・ヒョンテク氏(大韓イエス教長老会合神異端対策委員長)と、CCK異端対策委員会副委員長の陳用植氏(韓国基督教異端相談所所長)の講演から、影響が大きい異端として両氏が共通して指摘した団体について、その内容を紹介する。

「クオンパ(救い派)」は3つのグループに分かれているが、中でも「喜びのニュース宣教会」(朴玉洙代表)が最も大きく、活動も活発だ。大韓イエス教浸礼会ともいい、IYF(国際青少年連合)という名の学内サークルでも活動している。グノーシス主義のように「救いは悟りによって得られる」と主張する。
悔い改めを繰り返すのは救われていない証拠だと言い、悔い改める必要はない、罪人だと告白する者は地獄に堕ちると教える。天国は義人が行くところであり、罪人が行くところではないから、「私は義人だ」と告白するべきだと主張する。
「救い」「罪」という言葉の意味内容が正統的な教会とは異なっている。正統教理では「罪」とは原罪と自分の罪の両方を指すが、クオンパでは律法は完全に撤廃されたので自分で犯す罪は成り立たない、救われた者は罪を犯すことはできないと考える。たとえ盗みや殺人、姦淫などを犯しても、律法がなくなったのでそれは罪にあたらないという。彼らは救われた後になお犯す罪を認めず、赦しを求めようとしない。悔い改める人は救われていない地獄の子だと断定する。罪を犯しても悔い改めないので霊的にゆがんでくる。救われて義人になれば二度と悔い改める必要がないと言われるので、聖化のプロセスがない。信仰は成長せず放任状態になってしまう。
彼らは救われた日時を知らなければならないと強調し、既成教会の信者に「あなたは救われましたか」「いつ救われましたか」「きょう死んでも天国に行ける自信はありますか」などとと執拗に質問して惑わす。明確に答えられないと、「あなたは救われていない。私が導きましょう」と言って彼らの教えに引き込もうとする。相手が牧師でも「あなたは救われなければなりません」と毎日のように電話をかけるなどして伝道しようとする。
「罪の赦し」「生まれ変わりの秘密」と題した出版物を配り、そのようなテーマを掲げてスタジアムなどで大集会を開く。彼らはクオンパのメッセージを聞かなければ救われないと信じ、他の教会のクリスチャンは救われていないと思っているので、すべてのクリスチャンが救われるようにと祈り、誘おうとする。
律法が廃棄されたからというので、礼拝の形式や教会の諸行事を否定し十分の一献金も絶対してはならないと教える。ところが実際には巨額の献金をするようになり、その重荷に耐えきれなくて脱会した人も多い。
聖書をアレゴリカル(寓喩的)に解釈する。例えばルカ10章の「良きサマリヤ人のたとえ」で、サマリヤ人が傷ついた旅人の治療費として宿の主人に2デナリを渡す記事では、「一日は千年」という関係ない別の聖句を引用して、「2デナリは2千年を意味し、良きサマリヤ人はイエスだから2千年後に新しいイエスが来られる」などと無理な解釈をする。
クオンパの信者は、聖書から罪についてどう言っているかなどについて教えれば、正統信仰に戻ってくる例がある。