自称キリスト教メディア「クリスチャントゥデイ」と関連団体の創設者、張在亨氏(ダビデ張)の異端カルト疑惑をブログで追及してきた救世軍士官(牧師)山谷真氏を相手取り、株式会社クリスチャントゥデイ(以下、CT)とその代表(社長)及び前代表らが、名誉を毀損されたとして記事の削除や損害賠償等を求めた民事裁判で、東京地裁(戸田久裁判長)は11月13日、一部記事の削除などを命じる判決を言い渡した。
CT側が削除を要求したブログ記事の表現は87か所に及ぶが、判決はこのうち41か所について真実・相当性、公共性・公益性が認められ名誉毀損に当たらないとの判断を示した。損害賠償については原告3者で計200万円の請求に対し95万円が相当と認定。裁判費用も原告被告で2分するなど、いわば「引き分け」の判断。山谷氏のブログ上に謝罪文を掲載せよとのCT側の請求は退けた。

判決を受けて山谷氏は、名誉毀損を指摘された46か所をブログから削除、賠償金の支払い手続きをした。控訴はしない。同氏は11月30日、自身のブログ「MAJOR MAK’S DIARY(http://majormak.blogspot.jp)」「裁判日記(http://saibannikki.blogspot.jp)」及びツイッターで、判決への正式コメントを発表した。

ブログの「クリスチャントゥデイ問題とは? 統一教会(世界基督教統一神霊協会)核心メンバーであった張在亨氏(学舎長、巡回伝道団団長、ICSA事務局長、鮮文大学教授)が、自分自身を『来臨のキリスト』として若者たちに教え込み、張氏が設立した関連団体(ACM、イエス青年会、EAPC等)と関連企業(クリスチャントゥデイ、クリスチャンポスト、ジュビリーミッション等)に献身させて、無賃労働をさせている上、そうした実態を糊塗しつつ、世界福音同盟(WEA)への浸透を企て、成功を収めつつある、という疑惑」との表現については、「真実であると信じるにつき相当な理由があった」と認めた。

判決は、CT側の否定にもかかわらず、「クリスチャントゥデイは、キリスト教メディアの世界的ネットワークとして、アメリカ、イギリス、日本、韓国等の世界各国の主要土地に記者を有し、新聞を発行している。原告会社は、上記ネットワークの一部として、日本において『クリスチャントゥデイ』という新聞を発行する組織である」と事実認定。
また、各種団体や人物の関係について、張在亨氏が韓国で設立した教団「大韓イエス教長老会合同福音」(以下、合同福音)から派遣された宣教師が日本キリスト教長老教会や東京ソフィア教会を設立したこと、同教会とCT、株式会社ベレコム、韓国クリスチャントゥデイの住所が重なる時期があること、CTは韓国クリスチャントゥデイ、(米国)クリスチャンポスト及びベレコムから資金援助を受けたこと、原告高柳泉氏(前CT代表)は合同福音において張在亨氏から牧師の按手を受け、東京ソフィア教会牧師や合同福音の日本代表使役者の地位に任命されたことなど、相互に密接な関係にある構造が解明された。現CT代表の矢田喬氏も、株式会社ベレコム取締役、東京ソフィア教会賛美リーダー、ACM千葉センター代表者、イエス青年会会長であったと認定された。
【根田祥一】