2016年07月17日号 2面

広範な分野での宣教協力について、今年9月27〜30日に神戸で開かれる第6回日本伝道会議(JCE6)は15のプロジェクトを推進している。日本福音同盟(JEA)第31回総会(6月6〜8日)内で、JCE6の各プロジェクトの経過と展望が紹介された。【高橋良知】   †   †
聖書信仰の成熟を求めて
プロジェクト「聖書信仰の成熟を求めて」は関野祐二氏(聖契神学校校長)が紹介。福音主義神学界の動向や教会の今日的課題を踏まえ、危機の時代にあって福音派教会が一致して前進するべく、確かな聖書信仰と真の福音理解を再構築する。2023年のJCE7へ向けたブックレット刊行を予定。JEA神学委員会の会合で研鑽を深め、JCE6当日のワークショップの成果も踏まえる。ブックレット刊行後にも情報共有、学び会、講演会を企画する。JCE6では①聖書信仰と日本的キリスト教、②聖書信仰とLGBT、③聖書信仰と聖書の霊感、④聖書信仰と説教、⑤聖書信仰とIT、⑥聖書信仰とNPP、⑦聖書信仰と物語神学&オープン神論、⑧聖書信仰と科学のテーマをディスカッションする。JCE6分科会「神学ディベートーN・T・ライトの義認論」も関連で紹介した。
地域に開かれた教会
プロジェクト「日本社会と教会:地域に開かれた教会に向けて」は、西岡義行氏(東京ミッション研究所総主事)が紹介。「教会学校や教会の集会になかなか地域の人々が来ない、地域から教会が孤立している」という課題を提示。カフェや福祉的な取り組みなど地域に開かれた働きをしている教会をリストアップして、モデル化していくことを目指す。実際に取り組みをしている教会に学び、訪問してJCE6で発表する。「参加者はそれぞれの地域で似た働きを知り、語り合えるように。そもそも地域に派遣されている教会の本当の課題について話し合いたい。地域社会は福音なしで、課題に向き合いっているが、教会はどう向き合うのか具体的に考えたい」と述べた。
教会の誠実さへの変革
プロジェクト「教会の誠実さへの変革」は、飯田岳氏(桜ヶ丘キリスト教会牧師)が紹介。第3回ローザンヌ世界宣教会議でまとめられた「ケープタウン決意表明」で、極端な繁栄の神学や様々な非倫理的な伝道の動機への警告があったことを踏まえ、「日本の文脈でこれらの問題を考えたい」と述べた。権力、性、金、成功の4点の課題に取り組む。取り上げ方についても「責めるのではなく、建て上げる、個人のスキャンダル防止だけでなく、教会とは本来何かを考える」と語った。JCE7までに4テーマのシンポジウム開くことを予定。第1回はダグ・バーゼル氏を講師にJCE6内で実施する。
日本宣教170▼200
プロジェクト「日本宣教170▼200」は、山口陽一氏(東京基督教大学教授)が紹介。JCE6までにデータブックの刊行を目指し、今年ベッテルハイム宣教師が琉球宣教を開始して170年であることを踏まえ、30年後の200周年を展望し、最近30年の教勢、年齢層、在日外国人、各宗教、福祉、学校など多岐にわたるデータをまとめる。データになりにくいテーマについては、コラムを設けるほか、震災と信仰調査もまとめる。