参院選前の6月14日から25日まで、「北海道綴方教育連盟事件」を題材に「昭和と戦争」を描いた三浦綾子最後の長編『銃口』の創作ノート、新聞記事、関係者の手紙や文集、写真などを展示した「三浦綾子銃口展」(三浦綾子読書会『銃口』展実行委員会主催)が、東京・渋谷区青山の青山学院大学青山キャンパス・ガウチャー記念礼拝堂・エントランスホールで開催された(6月26日号既報)。18日には森下辰衛氏(三浦綾子記念文学館特別研究員、三浦綾子読書会代表)の講演会を開催。森下氏は「“人間として生きること語ること”〜三浦綾子『銃口』が現代に語る希望」をテーマに講演。竜太が兵隊として満州に赴いていた時のエピソードで森下氏は「銃を捨てる山田曹長の中に憲法9条がある」と指摘する。「山田は何を選び取ったか。武力ではなく、祖国を目指した。関東軍ではなく、『母に会いたい』、そっちを選んだ。お母さんの懐には、いのちそのものがあり、私が私として生まれ、愛され、育てられたいのちそのものの物語に帰っていける。それが憲法9条の約束しているところであり、三浦綾子の憲法9条論なのです」と結んだ。
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