8月28日号紙面:寄稿・相模原障害者施設殺傷事件とヒトラーの安楽死命令 西南学院大学名誉教授 河島幸夫氏
相模原市の「津久井やまゆり園」で多くの障害者を殺傷したとして逮捕された元職員の植松聖容疑者は、犯行動機に「ヒトラーの思想が降りてきた」と口走っていたそうです。しかし彼自身と同じような精神病者たちもナチスの時代にはヒトラーの思想によって殺されていたことを、彼は知っていたでしょうか。第二次大戦を始めた年にヒトラーは「不治と診断された者に恩恵死を与える権限を親衛隊幹部ブーラーと医師ブラントに委任する」という秘密の安楽死命令を発しました。その結果、約20万の障害者・精神病者がガスなどで殺害されました。