CD「遠くあるいてきた」萩原ゆたか ――陽春のそよ風に主と憩う
冬ごもりをしていた虫たちが、土から顔をのぞかせてくれそうな啓蟄(けいちつ)の陽春を感じさせてくれるようなミニアルバムだ。
収められている「早春」「たったひとつの」「遠くあるいてきた」の3曲は、萩原ゆたかさんのオリジナルソングで、初のソロアルバム。柔らかく透明感のある声は、春の光りのような優しさを感じさせてくれる。アコースティクギター、ピアノ、エレキベースが、その歌唱を軽やかにサポートして、凍てついた冬の風を受けて乾いたこころに春のそよ風を届けてくれる。
‘あなた’と種をまき、苗を植えることで’わたし’らしさを見つめる「早春」。「たったひとつ」の’私の私らしさ’を知った喜び。そしてタイトル曲の「遠くあるいてきた」に、今の自分がどのように生かされてきたか、聴く人それぞれに永遠の時とのかかわりの中で見守られてきた優しい視線に気づかされ、いやされる。
陽春のそよ風の中で、主との憩いに誘われる。 【蟹】
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