開拓伝道する教会と牧師たちを支援し続けている国内開拓伝道会(KDK、泉田昭委員長)が、「教会を建て上げる」をテーマに第20回開拓伝道セミナーを4月24、25日に開催した。会場は、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)。
開会、閉会の礼拝を挟んで、3回の講演と、バイブルメッセージ、開拓教会からの報告が行われた。主講師は、福井誠氏(バプ教会連合・玉川キリスト教会牧師)。現在KDKでは、4教会を支援している。 【髙橋昌彦

開会礼拝で村上宣道氏(KDK委員)は、「キーパーソンはだれ」と題してメッセージ。「まず最初に、主は私のために門を開いてくれている、と信じることから始める」として、聖書から3つの箇所を挙げる。「門が開かれる、と反対者が大ぜいいる、は対立するように見える。しかし困難はチャンスであり、問題があるからこそ門が開かれる前兆と信じるべき」(Ⅰコリント16章9節)。「捕らわれていたペテロの前になぜ門は『ひとりでに』開いたのか。教会が彼のために熱心に祈っていたからである。祈りには閉ざされた場所を開く力がある。人間が開くのではなく、『ひとりでに』開くのである」(使徒12・10参照)。「力がなくてもたじろぐ必要はない。門を開くのは主ご自身である。門を開く鍵を持っている“キーパーソン”である主に期待していこう」(黙示録3・8参照)

 主講師の福井氏は「開拓伝道者の人格形成と教会形成」をテーマに、「開拓者のための聖書的基礎」「リーダーシップのための聖書的基礎」「自己管理と成熟のための聖書的基礎」の3回にわたって講演した。

 第1講で福井氏は、自らの教会開拓の歩みに触れた上で、20年間継続して教会員のための聖書日課をメールやブログを通して毎日配信してきたことを紹介し、「そのために早朝教会で聖書を読み、神様とよき時を過ごしたことが、神学校で学んだことよりも、自分の霊的成長の助けになったし、信徒の養いになっている」と語り出した。

 教会の社会的責任が問い直され、教会は社会と接点を持つべきとされるが、「礼拝出席30人以下の教会では、社会活動などを組織的に行っていくことは困難だろう」とし、「牧師が代わっても、信徒が証しを続けていく教会を建て上げることが大切」だと語る。そして信徒を養い、教育するのは、教会の“役に立つ”人材を育てるのとは違う、という。「一人ひとりがみ言葉で養われ、証しできるように。それをやらなければ世の中の人は教会に関心を持たない」

 「夜は寝て、朝は起き、そうこうしているうちに、種は芽を出して育ちます」(マルコの4・26〜29)を引き、「牧師が神様とよき時を過ごす時、自然に教会が育っていく。ゆっくり、確実に変化は生じる。神は背後で事をなしている。どれだけそこに立ち、信頼できるか。神は時に応じて、必ず成果を与えてくださる」と語った。

 神のビジョンは、旧新約を通して基本的に「散らされたものが、もう一度一つになること」。教会の規模にかかわらず、「神にある平和、主にある一致があること」。すなわちそれが「地の塩、世の光となる教会」。また、神に立てられた指導者たちが欠けの多い者であったことに触れ、「教会は神が建て上げるもの。神は、立てられた器をあるがままに用いる。あなたにはあなたにしかできない働きがある。開拓もみな同じではない」と、第1講を結んだ。

 バイブルメッセージでは、日本人牧師の開拓伝道を支援するアメリカの団体「ホワイト・フィールズ」の理事長、スティーブ・ウィラー氏が説教。開拓教会からの報告は、和田孝之(福音校友会・和歌山聖書教会)、斎藤和彦(JECA・横手聖書やすらぎ教会)、田弼安(江戸川志音教会)、朴柱炫(バプ教会連合・香芝めぐみ教会)の4氏。閉会礼拝では、板倉邦雄氏(KDK委員)が説教、2日間のセミナーを締めくくった。

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