1月7・14日号紙面:普天間教会付属園に米軍ヘリ落下物 保護者ら「命守りたい」事故直後も基地前ゴスペル
沖縄県湾市にある緑ヶ丘保育園(沖縄バプ連盟・普天間バプテスト教会付属、神谷武宏園長)の屋根に、12月7日、在日米軍海兵隊普天間飛行場(普天間基地)のヘリからとみられる部品が落下した問題で、同園の保護者らが事故の原因究明と再発防止などを呼びかけ、署名活動を展開している。【藤野多恵】
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事件のあった翌週の11日、保育園園長で普天間バプテスト教会牧師の神谷氏は、「普天間基地ゲート前でゴスペルを歌う会」において事件に言及。子どもたちを守るよう広く呼びかけた。
神谷氏によれば、事件当日の午前10時20分頃、「園長先生、ヘリコプターから何かが落ちました」との保育士の叫び声で外に飛び出したという。「屋根に転がっている透明なガラスのような物体に近づいたところ、もわっとした熱気と、油のような臭いがした。触ってはだめだと直感的に思った」と話す。物体が落下したのは、園庭に張り出した屋根が途切れる50センチ手前。わずかに落下位置が違っていれば、当時外で遊んでいた20、30人の園児のただ中に落ちた可能性もあり、「ひょっとすると、子どもたちの命が奪われていたかもしれない」と憤った。
神谷氏は、沖縄に集中して米軍基地が置かれている現状や、住宅街に隣接して存在する普天間基地の危険性などについてかねてより声を上げ続けており、基地ゲート前での「ゴスペルを歌う会」も、2012年、同基地へのオスプレイ配備がきっかけとなり超教派で毎週続けているもの。「子どもたちの上にいつ危険が降りかかってくるかわからない。これが今の沖縄。常に命が脅かされている状況に、声を上げ続けていきたい」と訴えた。
事件を受け、同園では保護者らが中心となり、米軍、国、県、市に「事故の原因究明及び再発防止」「原因究明までの飛行禁止」「普天間基地に離発着する米軍ヘリの保育園上空の飛行禁止」を求める嘆願書の提出を採択。県外へと広く署名活動を展開している。
事件については、在沖米軍は飛行中のヘリから落下したとは認めておらず、また13日には、普天間第二小学校の校庭に米軍ヘリの窓枠が落下する事件が発生。抗議が踏みにじられるような状況に、市民は「またか」と失望と怒りを募らせている。神谷氏は、「これは沖縄の基地問題ではなく、日本全体の問題。県内外ともに声を上げながら、非暴力によって平和の実現を目指していきたい」と訴える。
署名用紙は同教会ホームページから入手可能(shttp://www.futenm