2018年01月07・14日号 13面

2010年に脳梗塞で倒れ、利き手である左手が使えなくなったイラストレーター、漫画家で、本紙連載漫画「ルッちゃん」の執筆者でもある勝間としをさん。だがその試練を乗り越え、絵筆をマウスに代え、右手で創作活動を再開。知り合いの依頼で猫の絵とつぶやき(言葉)を描き始め、フェイスブックにアップしたところ大反響を呼び、ある画商の目に止まったこともあって、今、月1回のペースで、各地の百貨店や書店で「猫のつぶやき」展が開かれている。その愛くるしい猫の絵と心温まる猫のつぶやきを、「勝間としを紙上絵画展」として公開する。

2018年年頭の「猫のつぶやき」展は、1月29日から2月12日まで、東京駅すぐの八重洲ブックセンターで、2月23日から26日まで、埼玉県川越市新富町のまるひろ百貨店本店川越10階特設会場で行われる。

大切なもの3-〈大切なもの〉

この世界は、たくさんのものがあふれてる。
心が魅かれるものもたくさんあって、
いろんなものに目移りする。
それで、キミにとって大切なものは
見つかったのかいって、
もう1人のボクに問われて気がついたんだ。
本当に大切なものって、
そんなに多くはないんだよね、きっと。

飛行機雲5-〈飛行機雲〉

河は海へと続き、その先は どこまで続くの。
空は雲の衣をまとい、その先はどこまで続くの。
たずねても上手く答えられないことは、
この世界にたくさんあって、
ならばボクの心も小さなことで悩んでいないで、
あの飛行機雲のように向きを変えれば、
この壁の向こうに夢が広がっていくかも知れないね。

キミを知っているよ63-〈キミを知ってるよ〉

初めて見るよな顔をして、キミはボクを見上げた。
ボクは前からキミを知ってるんだよ。
ずっとキミを見ていたんだよ。今、キミがココロを開くなら、
すでに開いたままになっているボクの部屋の扉も喜ぶのにね。

大切なものから70-〈大切なものから〉

ボクは大好きな人から目を離さない。
大切な人を見失うと、ボクにとって大切なものまで
ボクの手から消えてしまう、
そんな心細い気持ちになる。それだけが恐いんだ。

キミのエール
73-〈キミのエール〉

久しぶりに穏やかな日をおくっていると、
あの嵐のような時が何だったんだろうと思えてくる。
今になって見えてくる。
ボクを見守ってくれたキミがいたことに。
キミのまなざしが。キミのエールが。

境界線から解き放たれて
118-〈境界線から解き放たれて〉

キミと出会って、ボクのココロの中の
境界線は自由にされて、
ボクは不自由さから解放されたよ。
だから今日もボクは無防備でいられる。
無防備過ぎて困るくらいね。