日本福音同盟(JEA)青年委員会(蔦田聰毅委員長代行)は今年11月22〜24日に第2回日本青年伝道会議(=NSD2、佐野泰道実行委員長)を千葉県市川市の山崎製パン総合クリエイションセンターで開く。それに先立ち青年宣教についてのサミットが1月22日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センターで開かれた。同サミットは昨年教団教派の担当者が集まり開催。今回は超教派団体の代表者らが集った。【高橋良知
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 蔦田氏はあいさつで、「青年宣教は困難な時代だが急務。日本の年間自殺者は3万人を切り、減少傾向というが、まだ2万8千人以上が亡くなっている。多くの若者が含まれている。福音が届いていたら、少なくともその中の何人かはいのちを救えたのではないか。それだけではなく、いのちを造り主におささげする素晴らしい生涯をとげられたのではと思わされる」として箴言24章11、12節を引用した。「11月のNSD2に何とか道筋をつけようとしている。今回は超教派団体代表者が交わり、情報交換をし、新たに互いを知り合っていきたい。心ひとつにして大切な事業のための一歩を踏み出したい」と励ました。

 参加した14団体(One Hope、hi-b.a.[高校生聖書伝道協会]、7media、CCC[キャンパス・クルセード・フォー・クライスト]、OCC宣教部、国際ナビゲーター、KGK[キリスト者学生会]、Word of Life、CSK[中学生聖書クラブ協力会]、JiSP[日本国際スポーツパートナーシップ、JCFN[ジャパニーズ・クリスチャン・フェローシップ・ネットワーク]、JEMA[日本福音主義宣教師団]、CCI[クリスチャン・キャンピング・インターナショナル])が活動紹介をした。

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 JEA総主事の品川謙一氏は、教会と団体の協力の課題について講演。JEAが関わってきた青年宣教の取り組みを振り返りつつ、「日本の青年宣教前進のためには、教会とパラチャーチがさらに協力関係を深め、力を合わせていくことが必須条件。そのために今、何が必要なのか考えたい」と述べた。

 マルコ1章15節「時が満ち、神の国が近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」から「『悔い改めて福音を信じ』ることは福音派は常にやってきた。協力のためには、その前提となる『時』と『神の国』の理解を深めることが必要ではないか」と指摘。『時』について、2016年パナマで開かれた世界福音同盟(WEA)宣教会議のテーマ「ポリセントリック(多中心的)な宣教」を紹介。20世紀に盛んだった欧米中心(モノセントリック)でフルサポートの宣教師を送り出す、植民地政策的な宣教の時代が終わり、アジア、アフリカ、中南米など世界各地(多中心)から、ハウスワーカーやスポーツ選手、移民・難民など多様なかたちで働き人が遣わされる時代になった。難民がヨーロッパで福音的な教会をたて、ヨーロッパの教会を励ましたり、通常宣教師が入れない中東でフィリピンのハウスワーカーが福音を伝えている例もある。閉塞感がある日本だが、固定観念に捕らわれず、神様が今用いられる方法を探したい」と話した。

 「『神の国』(Kingdom)は、王様が中心にいて、その支配が同心円状に拡がっていくイメージ。地上の国のように線を引いたり、囲ったりしない。王であるイエス様が中心におられることを明確にすれば、誰とでも協力できるはず。ジョシュアプロジェクトによれば、日本語を話す日本人は世界で二番目に大きい福音未伝ピープルグループであり、日本語で福音を伝えるわたしたちは皆、その進捗についてイエス様への報告義務を負っている同労者。この『神の国マインド』で、何でもやろう、いっしょにしようと言えます」

  「昔はそれぞれの団体が競争のようにして働きを拡大していた。今は様々な会議で『他の団体はどうだろうか』と横のつながりを求めている。JEAは期待される宣教のインフラになりたいと願っている。信頼のネットワークで、人や働きをつなぎ、一緒に神の国の働きを担っていきたい。教会もパラチャーチも日本の宣教に同じ責任を持つ。一緒にビジョンを分かち合って、『神の国マインド』で燃やされれば壁が取り除かれる」と励ました。

 その後、「2025年の青年宣教」、「NSD2への提案」などをグループディスカッション。「それ知ることができた」「コラボして何か具体的なかたちにできないか」「今までの成果やデータをしっかりグラフ化して共有したい」などの声が上がった。

 分科会では、①諸教会とのコミュニケーション、②サポートレイズ、③新人のトレーニング、④リーダーシップ、⑤事務局の業務、⑥宣教師受け入れ相談。

  「諸教会とのコミュニケーション」では、「青少年が所属する教会、保護者との信頼関係」「外にオープンか警戒するかは教団、教会の歴史、背景がある」「日ごろから地域の教会どうしでも顔合わせ、いざというとき協力できる」「教会が求めるニーズにこたえる」「教会でしっかりコミットする人が、超教派でコミットして信頼される」などが話された。