2018年03月25日号 06面

東日本大震災・熊本地震・九州北部豪雨復興支援のつどい(大阪クリスチャンセンター・モリユリ・ミュージックミニストリーズ主催、日本国際飢餓対策機構=JIFH後援)が、3月3日にOCCホールで開かれた。
第1部は森祐理さんによる『朗読ミュージカル~三本の木』を特別上演。朗読と歌は森さん、コーラスはグレース宣教会(八尾市)のシオン児童合唱団が務めた。『三本の木』は、それぞれ夢を抱いた三本の木が、夢をかなえることはできなかったけれど、飼葉桶やガリラヤ湖の漁船、そして十字架となってキリストの御用に用いられるというストーリー。映像と森さんの語りで会場は引き込まれ、メッセージを込めた歌に感動が溢れた。
森さんは「今、苦しんでいる人のために祈り、手を差し伸べることが大事です。神様が何を語っておられるか、心と耳を傾けましょう」と、呼びかけた。
2部ではJIFHの田村治郎総主事による被災地支援活動の報告があった。東日本大震災・熊本地震・九州北部豪雨復興支援のつどい2018_2
「1995年の阪神大震災から23年の間に様々な災害が日本で起こりました。 被災した多くの人々が、新たな被災地の人々に、我々も助けてもらったのだからと、支援の手が差し伸べられています。東日本大震災のとき、全世界の人々が、自分のできることをしてくださった。宮城の牧師さんは『我々が語ってきた神の愛が今こそ生きるのです。我々は愛を語ると同時に、愛に生きるのです』と決断されて、私たちと共に救済支援に働かれました」。
「人が傷んでいるとき、教会は何ができるのか。見えてきたものは“受容する教会”として、避難所として人々を受け入れ、遺体を安置し、物資の倉庫の役割などとして用いられること。そして、教会が外に出て行き、今の必要に応えること。私は広島在住で、14年の広島土砂災害に遭遇しました。教会の泥をさらって拠点として、毎日被災者の家の泥をかき出しました。多くの人が出入りして、信頼関係を築くことができました。教会が語っていたことが本当だと認めてもらえたと思います。また、“流動する教会”として、災害が起こったときすぐに動ける教会ネットワークの構築が大切です。災害時はすぐに動けないといけない。広島ではそんな働きができたのは嬉しかった」。JIFHの田村治郎総主事が活動報告した(写真提供:胎中規久馬氏)
「それぞれの災害からそれぞれの年月がたちます。東日本大震災から7年。まだ多くの人が日常生活を取り戻せていません。そして、これから起こる災害にも備えて行くことが大切です。災害を自分のこととして捉えなければならない。東北では『神がいるならなぜこんな悲惨なことが起こるのか』と、何度も尋ねられました。私は答えられませんでした。どんなことばも、現実の中では緩かった。できることは傷んでいる人の隣人になること。もう一度立ち上がり、一歩踏み出して行くことができるように。“善隣共生”の生き方を備える必要を感じています」
「東日本では自主避難も含めて約8万人の避難者がいます。他の災害避難者を入れたらそれ以上です。そんな方々が、生きていて良かったと思い、日常を取り戻せるよう、共に生きる者として、手を差し伸べ続け、関わり続けて行きたいと願っています」
森さんは「私たちも当事者になる可能性があります。支え合い、力を貸し合うことが大切です」と、語った。OCCの胎中規久馬理事から「年月がたっても、被災者の心の傷は癒えません。被災された方々にイエス様のことを伝えて生きる糧としていただくことも覚えて、どうか献げてください」と、被災地支援のための献金の勧めがあった。森さんは「支援の思いを新たにするのが復興支援のつどい。被災地に向けて、継続して祈りの声を上げていきましょう」と呼びかけ、全員で『花は咲く』を歌った。この日の支援金約17万円が被災地に、祈りと共に贈られた。