5月27日号紙面:『イスラエル』『今日からわかる聖書ヘブライ語』『独習聖書ヘブル語原典入門』『ヒエロニュムスの聖書翻訳』
5月14日のイスラエル建国70年を前に、抗議活動をしたパレスチナ自治区ガザ住民へ発砲、58人死亡というニュースは世界に衝撃を与えた。複雑なイスラエル・パレスチナ問題を理解するには背景を知る必要がある。
イスラエルの現代史に焦点を当てて、その歴史観、国家観、文化の諸相を網羅したのが『イスラエル—民族復活の歴史』(ダニエル・ゴーディス著、神藤誉武訳 ミルトス 3千24円税込 A5判)。シオニズムの視点に基づき、「あくまで事実に裏付けられた物語を記述するよう心がけた」。一方「出来事の羅列ではなく、1つの物語として伝えるよう試み」、文化や文学の話題も取り混ぜ、読みやすくしている。歴史論争、戦争について、イスラエル視点の動機、原因を知れる。
近年日本では聖書翻訳事業が相次ぎ、原典への興味も出てきそうだ。『今日からわかる聖書ヘブライ語—聖書対訳シリーズの手引き —』(谷内意咲著 ミルトス千836円税込 A5判)は同社発行の対訳シリーズの手引き。文字の読み方、簡単な文法などを図式的に整理。言葉の変化形を見分けるヒントを伝える。これと対訳を読むことでヘブライ語に慣れていけるだろう。さらに文法を把握して、原典まで導くのは『独習聖書ヘブル語原典入門』(野口誠監修 いのちのことば社 4千104円税込 A5判)。各文法項目、練習問題と創世記1章の講読を交える。
ヘブライ語にこだわった初期のキリスト者がヒエロニュムスだ。その翻訳はのちに中世における聖書の決定版、ウルガータ訳聖書となる。ヒエロニュムスのヘブライ語研究、翻訳論、「ヘブライ的真理」についてまとめたのが『ヒエロニュムスの聖書翻訳』(加藤哲平著 教文館 5千616円税込 A5判)だ。七十人訳の考察も含め、宗教改革以前の聖書翻訳の源流をたどれるだろう。
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