神奈川県保土ヶ谷にある英連邦戦死者墓地には、第二次大戦中、日本軍の捕虜となり、泰緬鉄道などでの強制労働の後、日本に移送され、日本の軍需工場や炭鉱で重労働に従事させられ、祖国に帰れず日本で生命を奪われた千800人あまりの連合軍捕虜が眠っている。その戦死者墓地において8月4日、第24回英連邦戦没捕虜追悼礼拝が執り行われた。1995年、戦後50年を機に第1回目の追悼礼拝が行われてから今年で24回目を数える。
 追悼礼拝では関田寛雄氏(日本基督教団牧師)が「和解の務めに生きよう」と題する追悼の辞を述べ、斎藤氏が遺された追悼礼拝の趣旨文の一部を紹介し、追悼礼拝の意義をあらためて訴えられた。その後、イギリス海軍の空母アルビオン号艦長のティム・ニールド氏が英連邦を代表して、そして主催者を代表して追悼礼拝実行委員会代表の奥津隆雄氏がそれぞれ挨拶の言葉を述べた。その後、イギリス、オーストラリア、カナダ・ニュージーランド、インド・パキスタン各国の墓地を回り、献花を行った。
 今年の追悼礼拝には、イギリス海軍の空母がたまたま東京に寄港していたため、艦長はじめ海兵隊員120人が初めて参加された。印象に残ったのは、若き海兵隊の方々が、礼拝後、整備された芝生の上をゆっくりと歩きながら一つ一つの墓碑に目を落とし、70年以上前のかの戦争で犠牲になった英連邦捕虜に思いを馳せている様子である。そのうちの一人はある墓碑の前で、これは自分の祖父の墓碑であると語り、墓碑の前でしばしの時を過ごしていたことが特に印象深かった。
 英連邦の大使館付武官など来賓の方々、イギリス海兵隊120人、そして一般参加者180人の合わせておよそ300人以上が礼拝に参加した。(8月29日号で詳細)