再生可能な、生物由来の有機性資源を意味するバイオマス。このバイオマスを有効利用していこうとする地域、指定地をバイオマスタウンと呼ぶ。石油などの化石燃料に頼らず、生ゴミなどを液肥に変えて再利用するシステムを構築し、循環型社会を目指す街のことで、今、農林水産省が推進するタウン構想でもある。岡山県真庭市は、そのモデルケースとして有名な街だ。この真庭市のバイオマスタウン構想の実現の一翼を担っているのが十字屋グループ(牧一穂代表)が運営する真庭あぐりガーデン(真庭市中396ノ1)だ。リバーサイドチャーチ岡山教会牧師でもある牧さんは「循環社会を目指す地域の取り組みに教会のNPO、クリスチャンたちが関わっていく。環境、教育、福祉もみな教会の取り組みであり、生きた宣教の形なのです」と語る。
 県北中部に位置し、鳥取県と境を接する真庭市。県境には蒜山高原・津黒高原の高原地帯がある林業の町だ。だが、真庭市にも過疎化の波が押し寄せており、人口は年々減少。このままでは総人口減少による市内企業の経営悪化、生産年齢人口の減少による自治体の財政難が予測されている。この危機的な状況を打破し、「住みたい」土地に変えていく取り組みが循環型地域を推進するバイオマス構想だ。真庭あぐりガーデンはそれを具現化したものの一つでもある。(2019年1月9,13日新年合併号で詳細)