2019年02月17日号 02面

 東海キリスト者災害ネット(Tokai Christian Disaster Network〔TCDN〕)=松浦剛代表)は、東海地域の超教派団体、宣教団体、各教団・教会の災害に向けたネットワーク構築、その他全国災害支援団体との協力、ネットワークを目的に、昨年6月11日に発足。今年から具体的な活動が始まっている。
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東海地区ではこれまで、福音派、日本基督教団、ペンテコステ系の教会が別個で地震発生時の対応を行って来た。
東海福音フェローシップ(TEF)参加の福音派諸教会には地震委員会があり、キリスト教支援団体「ハンガーゼロ」と共に被災地にボランティア派遣などの活動を行って来た。日本基督教団愛知西地区には、地震が発生する日に向け対処する災害対策委員会が備えられている。また伊勢湾台風(1959年)の被災に対する全国のキリスト者による救援活動を契機に設立された社会福祉法人名古屋キリスト教社会館がある。ペンテコステ系教会では災害時対応の救援活動の志があり、災害発生時には迅速な対応を行って来た。IMG_2481
だが、3者が互いに情報交換をし、共に救援活動をすることはなかった。そこで、3者が地震発生時に情報を共有し、臨機応変に連携して救援活動をするためのネットワークとして立ち上がったのがTCDNだ。
参加団体は、名古屋キリスト教協議会、TEF地震委員会、ハーベストフェローシップ、日本基督教団愛知西地区災害対策委員会、名古屋YWCA、名古屋YMCA、名古屋キリスト教社会館、ハンガーゼロ、あいちゴスペルネットなど。参加者所属教団は、日本基督教団、神の家族キリスト教会、同盟福音基督教会、日本バプテスト連盟、日本イエス・キリスト教団、日本同盟基督教団、日本福音基督教会連合(JECA)、単立教会、救世軍名古屋小隊と、様々な教団教派が加わっている。
昨年11月に行われた第2回TCDN委員会では、「愛のきずなのもとで」と題して、代表の松浦氏が挨拶した。『日本史年表の基礎知識』の「近世消防・火災・地震年表」を引用し、「40〜50年に一度の頻度で、東海地方には地震その他の災害が及んでいる。ここ73年間地震がなかったので、今後大地震が発生してもおかしくない。聖書にも、Ⅰサムエル記14章15節、アモス書1章1節に地震についての記述がある」と指摘。TCDNの性格、意義として、①災害が起こる前に結成された、②牧師と信徒が対等の立場で一体化し組織された、③「はじめに活動資金ありき」ではなく、逆に「資金ゼロからの出発」、④災害対応の専門家がいるから始めたのでなく、素人だけれど一歩進み始めた、⑤メンバーに相当数の若い人がいる、ことを挙げ、▽熟考型より行動型、▽信徒たちは柔軟にありのままに企画参加し、こだわりを捨てて、ニコニコ顔で相談し、やり遂げる、▽牧師は、祈り深く、互いに建徳的に加わることができる、と可能性を示した。
「東海地域のキリスト教会の災害時への意識がまだ低いように思える。その意識を今後、どれだけ各教会に落とし込むことができるかが課題です」と事務局長の石橋憲さんは言う。今後の活動として、ホームページやEメールなどの災害時の連絡窓口と情報発信手段の整備、防災カフェ、災害対策セミナーなどを通して意識を高めていきたいとも語る。
【災害発生時緊急災害対策本部】日本基督教団名古屋教会内(〒460- 0012名古屋市中区丸の内3ノ4ノ5)【事務局】名古屋グレイス・センター(〒460- 0012名古屋市中区千代田2ノ1ノ8)Tel052・265・8575、Fax052・265・7521、災害時サブ番号Tel03・6811・0860。