7月7日号紙面:タイのHIV孤児たちのために 大丈夫、一人じゃない 市岡さんCDでチャリティー
タイのHIV孤児たちのために 大丈夫、一人じゃない 市岡さんCDでチャリティー
写真=新発売のCDを手にした市岡裕子さん
ゴスペルシンガーの市岡裕子さんが6月に2ndゴスペルCD『LOVE IS WAITING FOR YOU〜愛があなたを待っている〜』(税込2千500円)をリリースした。2008年から「市岡裕子インターナショナルミニストリー」を立ち上げ、タイのHIV孤児たちの支援を続けている。CD収益の一部はチェンマイの孤児院4か所に暮らす子どもたちのために使われる。
収録した8曲のうち、3曲は市岡さんのオリジナル。貧しくても夢と希望を持って生きている子どもたちを思いながら作った。タイの子どもたちから「ピー(お姉さん)ユーコ」と呼ばれているという市岡さん。「タイ語でおばさんは“パー”。パーちゃいまんねん、ピーでんねん」
貧しくても明るい子どもたちと触れ合えば、むしろこっちが勇気と愛をもらって帰ると、喜んでいる。子どもたちにもっとも必要なのは教育だ。国力の弱い国で、犠牲になるのはどこでも子どもや女性たち。物心両面の支援は急務だ。
タイトルにした1曲目のオリジナル曲『愛があなたを待っている(大丈夫)』は、チェンマイの孤児院の子どもたちに呼びかける歌だ。孤児院には薬の必要なHIV孤児や、今は日本と同じように親が家で育てられない子どもも多い。
「大丈夫 あなたは一人じゃない 大丈夫 大丈夫 全て うまく行くから」
「大丈夫」のリフレーンが、一回一回魂に響く。孤児でなくても、孤独に苦しむ人々は励まされるに違いない。本当につらい思いをした人の「大丈夫」だから、いのちを吹き込まれた歌詞が、聴く人に訴えかけるのだ。
市岡さんが16歳のとき、うつ病だった母が自死した。弟も早世し、吉本新喜劇座長だった父の岡八朗も見送った。それでも、いつも苦しみのときに支えてくれた人々がいた。渡米先の教会で、ゴスペルに出会い、救い主に出会った。
「私も孤児ですから。私もたくさんの人に、そして神様に、慰めてもらい、励ましてもらってきたから。子どもを育てるのは大人の責任。信頼できる大人が一人でもいれば、子どもは前へ進んで行けます。皆さん祈って、そしてアクションを起こしてほしい」と、市岡さんは願っている。
現在、大阪を拠点に各地でコンサートや講演会で歌っている。ニューヨーク本場仕込みの歌唱力とユーモアあふれるトークには定評がある。自分が苦しんできただけ、人々を笑顔にしたい。そう願ってきた父のように、音楽を通して大勢の人を笑顔にしてきた。今回のCDは日本語、英語、タイ語の歌に加え、大阪弁に和太鼓集団を入れたオリジナル「ハレルヤ音頭」も収録、これで日本人の心をわしづかみにしたいと考えている。
10月14日にはCD発売記念コンサートを、兵庫県尼崎市のライクスホールで開く。CD購入・問い合せは www.ichiokayuko.com/(サイト内「お問い合わせ」)、大阪市のオアシス梅田店、東京のオアシス新宿西口店でも販売中。【藤原とみこ】