中村哲医師死亡 アフガニスタンでの銃撃事件で

12月4日、アフガニスタン東部で発生した銃撃事件で、NGO「ペシャワール会」現地代表の医師・中村哲氏を含む6人が死亡した。外務省は「強い衝撃と悲しみを覚えます。亡くなられた方々の御遺族に対し,心から哀悼の意を表します」とする大臣談話を発表した。

沖縄キリスト教平和総合研究所で講演(9月7日)

 

中村氏は、1984年から社団法人日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)よりパキスタンに派遣され、パキスタン人やアフガン難民のハンセン病治療、一般診療に携わり、アフガンニスタンでは灌漑(かんがい)水路敷設活動に貢献。2008年にペシャワール会の若手スタッフ伊藤和也氏がアフガニスタンで拉致・殺害された後も、現地に留まり活動を続けていた。88年の外務大臣賞を初めとして、国内外の多くの賞を受賞している(一部ペシャワール会として)。

10年のJOCS創立50周年の講演会では、「現地で必要なものは、食料、健康、そして家族の安定した生活です。しかしそれを超え、精神的充実が大切。平和をもたらすものは決して武力ではない」と語った。

今年9月には、沖縄キリスト教学院大学の沖縄キリスト教平和総合研究所で講演した。同研究所の内間清晴所長は、「『大事なことは生きること、命こそが大切』と言っていたが、そこに沖縄の「命どぅ宝」と共通した思いを感じる。講演では、『外国人として出来るお手伝いはするけれど、自分の価値観や正義は決して押し付けない』との言葉に多くの人が感銘を受けた。“寄り添う”を越えて、現地の人とともに生きた人。そこにキリスト者の生き方を見る思いがする」と語った。