ZOOMの卒業生祝賀会に参加した高校生、スタッフら

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、 一緒に集まることができない状況の中、hi-b.a.(高校生聖書伝道協会)=川口竜太郎代表スタッフ=は3月21日、今年3月卒業する高校3年生を対象に、オンライン会議ツールZOOM(以下ズーム)を使って卒業祝賀会を開いた。川口さんに話を聞いた。

 参加者はスタッフを合わせて45人、高校生は35人ほどが参加。関東、関西だけでなく北陸、静岡からの参加者もいた。
 当初は東京・渋谷のhi-b.a.センターで行う予定だったが、新型コロナウイルスの感染が拡大。全国の小中学校と高校、特別支援学校の臨時休校を要請する安倍晋三首相の会見があった直後、臨時のスタッフによる運営委員会を持ち、オンライン化を進めることに決めた。「若手のスタッフが、ズームというツールがあるけれどどうですかと提案があった。試してみて操作確認が非常にしやすいと感じたので、即決で使うことにしました」
 「参加者は必ず顔を出す」ことを条件に、試験的にズームで定期集会や全国集会をやってみて手ごたえを感じたこともあり、卒業生祝賀会もズームで開催することに。川口さんがメッセージをし、卒業生に証しをしてもらった。途中休憩の時は、賛美の動画を画面共有し、賛美を流した。
 集会が終わると、ネットを通じておしゃべりタイム。ズームでは双方向のコミュニケーションが可能だが、「50人近くが一斉に話すと音声的に途絶えることもあった」。
 反応は上々だったという。「オンライン上でアンケートを取ったところ、評価は5段階中、4、5が多く、思ったより臨場感があって良かったという反応がほとんど。そんな中、『もうそろそろ、いい加減、ほんとに集まりたい』という、2月後半から集会ができない状況でしびれを切らし始めている高校生もいた。ネット回線の関係で参加できなかったり、『会えないのならいい』という高校生もいたが、いろんな地域の高校生が一堂に会し、ストレスなく行えたので、8割以上は楽しんでいたのではないかと思います」
 一緒に集まれない中、やむを得ず取り入れたズームだったが、思わぬ副産物もあった。「地方の高校生、関西の協力スタッフも一緒に参加できた。関西の協力スタッフは普段はなかなか会えない。でもズームだと、移動する必要もない。交通費がかからないので今後、スタッフミーティングにも使える。全員はオンラインに入っているので平等感があります」
 川口さんは「新たな危機をチャンスにしていくことが私たちの考え」と強調。「オンラインではダメだという人もいるが、hi-b.a.のスタンスは、信仰をもって対策すること。今の状況だと4月以降もネット配信、オンラインでの集会・イベントが続くと思う。もっと質を上げ、工夫をし、クリスチャンの先生方とコラボしながら視聴率を上げようという意見がスタッフの中から出ている。しっかり対策した上で、ネットをもっと活用していきたい」と抱負を語った。