新型コロナ感染拡大下で 会堂での礼拝からオンライン礼拝ヘ 急増 “復活祭”どう迎えるか

 新型コロナウイルスの感染拡大が首都圏で広がり、3月26日には、1都4県の知事が住民らに不要不急の外出やイベントの自粛などを求める「知事共同メッセージ」を発表。それを受け、29日の礼拝では、これまで消毒、マスク、換気を徹底するなどして礼拝を守ってきた教会も、会堂に集まることを避け、オンライン礼拝に切り替えるところが急増。感染者は日々増えており、この状況はしばらく続きそうだ。本紙では首都圏にある教会に、礼拝、定期集会をどのように行っているか、イースターをどう迎えるか、私たちが今祈るべきことは何なのか、について聞いた。

▽東京都 ニューホープ・インターナショナル・フェローシップ東京(千代田区)お茶の水クリスチャン・センター(OCC)8階を礼拝の場所として借りているが、OCC主催のイベントは3月中は中止、OCCを利用する他教会も中止ということで、NH東京も中止に決定。3月8日からライブ配信に切り替えた。15日は創立20周年をお祝いする予定だったが、それも中止した。22日の礼拝まで午前11時と午後2時と2回のライブ配信で、29日から午前10時半だけにし、午後は収録したものを再配信に。メッセンジャー、通訳、賛美、音響、ビデオ、カメラマン、ディレクターなどスタッフも10人ほどの体制でやろうと話し合っているが、状況がもっと悪くなった場合は主任牧師が自宅から信徒に配信という可能性も出てくる。
ライブ配信では御茶ノ水と成増の信徒300~400人がパソコンを通じ各家庭で礼拝をもつ。4月も継続するが、OCCの主催イベント中止は18日までなので、早ければ19日から通常の礼拝を再開できる。だが、都内の感染者が増えている状況なので延びる可能性は大きい。
イースターに向けては何かしらの準備をしているが、顔を合わせてのミーティングができておらず、具体的な形にはなっていない。祈り・暗いニュースが多い中で、神様のメッセージは何なのか、何が大事なのか、気づきが与えられるように。教会は人と人とのつながりなので、テクノロジーの助けも受けながらつながり続けていくことができるように。
東京バプテスト教会(TBC、渋谷区)3月28、29日から4月25、26日まで、渋谷、立川、三郷、鳥取での礼拝を中止し、代わりに日曜日午前11時から礼拝のストリーミングをライブで、礼拝音楽の部分も含めて行うことに。ライブストリーミングに切り替えるにあたっては、「それぞれの自宅で礼拝に参加してください。もしかしたら一緒に住むご家族やご友人が礼拝に参加するチャンスになるかもしれません」と呼びかけた(インターネットの礼拝生中継URL http://t-b-c.us/channel)。3月29日の礼拝配信では、夕方までに655のアクセスがあった。「19年の平均礼拝出席者数は千49人なので、もし仮に一つのPCを通じて2人が礼拝に参加したと仮定すれば、千310人となり261人増。もし、イースターに礼拝ができないとしても、オンラインによって福音発信の可能性はむしろ広がるかもしれない」と、むしろ期待している。
TBCでは、スモールグループやミニストリー活動など直接的な集会を伴うものは4月中はすべて中止。5月以降については、経過を注意深く観察し、どうしていくか決定していく。祈り・ウイルスに感染した人たちが癒され、皆が守られ、リーダーたちに神の知恵が与えられるように。神が困難な状況を通して美しいものを生み出してくださり、もっと多くの人と共に「わたしたちではなく、主よ わたしたちではなく あなたの御名こそ、栄え輝きますように あなたの慈しみとまことによって」(詩篇115・1、新共同訳)と言うことができるように。
福音伝道・笹塚キリスト教会(渋谷区)3月1~22日までの日曜礼拝は、1日2回の礼拝以外はすべてのプログラムを休み、礼拝も短縮化し、衛生面でできる限りの配慮をして行った。主要メンバーの9割は集っていた。29日は、会堂には集まらず、すでにあった教会員限定のライングループを用いて礼拝をライブ配信し、ほとんどの人はそれを用いて一緒に礼拝した。ライングループに入っていない人にはメール、郵送で週報、説教原稿を送り、礼拝開始時間の午前11時から、各自で礼拝できるようにした。
4月5日以降も状況を見ながら、当分は29日に行った形を続けていく。教会学校(CS)・ユース集会、家の教会でのCS・ユース集会はすべて休み。イースターに関しても、最初は飲食せずに短いパーティーをしようと考えていたが、現在はそれも難しい状況だと受け止めている。5月をめどに、子どもの特別な集会をしようと願っている。祈り・新型コロナウイルスで苦しんでいる人々の癒しと、終息のために。この状況を神が許されている意味を、クリスチャンが神に聞き、より神に希望をもって生きられるように。そのために、互いに祈り合っていくことができるように。
新生連合・町田クリスチャンセンター(町田市) 消毒、マスク、換気を徹底して会堂で礼拝を続けてきたが、3月29日の礼拝からは、どうしても来られない人のためにオンラインツールZOOM(ズーム)で礼拝の配信を始めた。それでも教会堂での礼拝には、今も日本語礼拝に20人、国際礼拝に10人ほどが集っている。
イースターは、みらくる(キッズプログラム)、ポットラックパーティ、祝会(タレントショー)とみな中止で寂しいが、4月12日のイースター礼拝では「これが最後のチャンスかもしれない」と申し出た90歳の女性、妻の長年の祈りが応えられ「ぜひこの時に」と声をかけてくれた男性の2人が受洗する。例年、手作りのイースターエッグをプレゼントしていたが、ウイルス対策として、市販のイースターエッグチョコレートに変更。礼拝できる幸せを感謝し、心から礼拝を捧げたい。祈り ・ダビデが疫病で倒れる人々を心苦しく思い、心から祈り、犠牲を払って捧げものをしたら、疫病が止まった(Ⅱサムエル24・24参照)という個所が心に留まっている。主の前に悔い改め、祈りを捧げ、神様にあわれみを請い、世界中の新型コロナが終息するように祈りたい。
日本イエス・荻窪栄光教会(杉並区)3月1日に注意喚起し礼拝は開催。礼拝出席者は半分以下。8日からは教会スタッフだけが参加してネット配信に。毎週状況をみて対応する。各集会は現在の所、中止。3月は役員会を開けず4月開催を起点としたい。CSはメッセージの録画をホームページでアップ。召天者を覚える墓園礼拝をしている。未信者の家族が集う良い機会だが、今回は難しく、考慮中である。礼拝とは、教会とは何か根本的なことが問われている。祈り・与えられた状況の中で、どう適切に行えるか知恵が与えられるように祈る。