【新型コロナ関連】緊急事態宣言発令の中の教会 “分散して”、“対応に苦慮”も 教会は復活祭どう迎えるか②愛知、奈良、大阪、兵庫、福岡/イースター特集Ⅱ

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、政府は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県を対象に緊急事態宣言を7日に発令した。各地の教会はイースターのこの時期をどう迎えるか。4月12日号「イースター特集」では首都一都四県(千葉、埼玉、東京、神奈川、山梨)の教会を聞いた。今週は、大阪府、兵庫県、福岡県に加え、愛知県、奈良県の教会に聞いた。(4月9日を期限に電話取材

 ▽愛知県 同盟基督・大須教会(名古屋市) 3月からオンライン礼拝。教会が商店街の中にあり、感染リスクが高い。近隣でクラスターも発生し、危機意識は高い。会堂ではスタッフのみで礼拝をし、撮影して配信。週報、説教要旨などの郵送対応も。4月から会堂での礼拝再開を見込み、ガイドラインを作成し、5日は再開したが、愛知県にも緊急事態宣言が出される見込みなので、12日からはオンラインと郵送。3月以降週日の夜の祈祷会だけは、数人でも集まって祈ることを絶やしたくなかったので、続けてきたが、これからはネットの会議システムを使う。4月は新来会者が多い。交わりがないことで信仰的にダメージを受ける人もいる。オンライン礼拝を始めてから、信徒のケアをする中で、そのことがわかった。CS(教会学校)には家庭礼拝を勧めて教材を送付。CSのイースターイベントや教会の昼食会は中止。
祈りこの時代を信仰者として、真摯に精いっぱい生きられるように。このことを通して、私たちが神様との深い交わりを体験できるように。

 単立ヒズコールチャーチ(名古屋市)3月中の礼拝は実施。参加は通常より一割減。以前から礼拝のライブ配信は行っている。教会員のほとんどがネット環境がある。CSは3月から中止。4月5日からは、ライブ配信のみで、教会員は自宅礼拝。イースターのイベントも中止。行政から要請や指示が出た場合には、それに従うよう準備は整えていた。
祈りワクチン開発も含めて、対策が進むように。国の指導者が的確な判断、決断ができるよう。この機会に教会ができること、与えられている使命は何かを吟味し、ネットでつながっている若者にも呼びかけ、福音宣教がさらに進むように。不安の中にいる人たちに、真の平安がキリストの中にあることを伝えていけるように。

 JECA・自由ヶ丘キリスト教会(名古屋市)3月からは衛生に注意して礼拝実施。日曜日は礼拝のみ。CSは休み。昼食もなし。4月5日も環境を整えて礼拝。礼拝に出席できない人には希望に応じて、牧師の説教を届けている。行政から外出自粛要請などの指示が出た場合には、12日のイースターからは、会堂で牧師と司会者など数人で行う礼拝を、オンラインで配信する。教会員で医師のアドバイスでガイドラインを作成。それに基づいて教会員も判断している。
祈り感染者、それに従事する人、世界中のキリスト教会、他者のために。神様の守りと、正しい判断をする知恵が与えられるように。

信仰のダメージ懸念

 ▽奈良県 同盟基督・生駒めぐみ教会(生駒市)12日の礼拝からインターネット礼拝、CDで対応。CSも休校。地域や教会員の家族の心配の声も聞こえてきたため。

 ▽大阪府 福音自由・グレース宣教会(八尾市)発令を受けてインターネットネット礼拝に切り替えた。奈良、三重、山口にある枝教会は通常の礼拝を続ける予定。
祈り:教会近隣の人たちに安心してもらえるような、良き証しのできる対応をしていきたい。

 単立・南大阪聖書教会(泉大津市) 衛生に注意して礼拝、祈祷会は継続。来られない人に向けたインターネット配信。週2回の子ども食堂も、軽食は中止。子どもたちが卓球やバスケットを楽しんでいる。
祈り:神様はこのことを通して、何かを私たちに教えようとしておられるのだと思う。私たちは感染終息のために、公の場で祈らなければならないのではという声が起こっている。

 MB・石橋キリスト教会(池田市) 3月から教会活動自体を休止。動画配信で礼拝。イースター合同記念会も、高齢の遺族が多いため中止。教会堂での礼拝は4月中は休止。
祈り:誰もがいつ感染してもおかしくない状況です。ニュースで教会名が流れてやり玉にあがるような、キリスト教に大きなダメージを与える事態にならないように、相当気を付けていかなければといけない。キリスト教会は長い歴史の中で、世界中で何が起こっても柔軟に対応してきた。幸い日本はITに強い教会や先生方が多い。今は教会が一つになって祈っていくとき。創意工夫しながら、信仰を保ち、宣教の働きを進めていきたい。世界のため、日本のために、感染が1日も早く終息することと、医療従事者のために祈り続けていきたい。

 JEC・堺福音教会(堺市) インターネット礼拝が決定。約300人もの教会員がいるため危機感がある。ネット礼拝により礼拝の可能性について考える機会となった。与えられた状況はマイナス面だけではない。
祈り:先の見えない状況。とにかく早く終息するように

 単立・京阪中央教会カリスチャペル(交野市)衛生面に注意して、日曜、木曜、土曜に行っている礼拝以外のプログラムは休止。教会を閉めることは避けたいが、大阪府の状況を見れば判断は難しい。信仰が揺さぶられる人も出てくる可能性があり、教会を開けることも、閉めることも、どちらも課題が大きい。
祈り:教会員との関わりが希薄にならないよう配慮しながら、インターネットも用い活動していきたい。

 単立・ニューライフキリスト教会(島本町) インターネット礼拝に。ネット環境が無い人は個別に対応。4月中は教会での集会は休止。

 大阪クリスチャンセンター(大阪市中央区)5月6日まで閉館する。

 ▽兵庫県 オープンバイブル・神戸キリスト栄光教会(神戸市)礼拝をネットで配信している。食事は3月は中止した。祈祷会はスタッフのみ。その他の定期的集会、週1回の子ども食堂、月2回信徒宅で開くホームチャペルなども休止。デイサービスは衛生面に気をつけて継続。

 日本イエス・神戸中央教会(神戸市)神戸市通達の集会人数50人に対応して、3回に分散して礼拝。高齢者が多くネット礼拝への切り替えはしていない。郵便や電話で励ましている。
祈り:動画については礼拝姿勢を懸念。もちろん多くの信徒は、礼拝に対する確固たる姿勢を持った人たち。教会はどう持続させていけばいいか、信徒が整えられるようにどう配慮するか。神様の大きな計画に期待したい。

 西日本福音ルーテル・青谷福音ルーテル教会(神戸市) ネット礼拝、説教原稿、CDで対応。祈り会は近隣の人だけ。
祈り:早く終息すること、皆さんの霊肉が守られるように。

 改革派・神港教会(神戸市)会堂の椅子の配列などを工夫してなんとか大人の礼拝を続けてきたが、発令を受け苦慮。クリスマスよりもイースターに多くの人が集まる伝統がある。「教会が復活を喜ばないでどうするか」と、苦しみ、祈りを重ねる。
祈り:教会が感染源になってはいけない。教会はできる限り礼拝を続けたい。礼拝に来られない人は家での礼拝が祝福されるように。

 兄弟団・ニューコミュニティ西宮チャペル(西宮市) ネット礼拝で、4月中は集会中止。相談は電話やメールなどで対応。
祈り:フォローアップや訪問ができないのが課題。

 クリスチャンセンター神戸バイブル・ハウス(神戸市)直近の集会、イベントを延期。非常事態宣言を受けて、4月8日現在閉館するかどうか検討中。

「礼拝持てたことに感謝を」

 ▽福岡県 バプ連盟・博多キリスト教会(福岡市博多区) 礼拝は短縮。その他の定期集会などは休止。受難週に特別早天祈祷会を行っているが、今年はLINEのグループ通話でメッセージを伝え、共に祈っている。イースター礼拝も短縮。欠席者のためにライブ配信を検討。従来、召天者記念礼拝を同日に行っていたが休止。
祈り:一人ひとりがしっかりキリストに留まり、自分の信仰を確かめる良い機会となるように、習慣的に捧げていた礼拝の本質を見直し、終わりの時代にふるいにかけられることを覚えながら、真の礼拝者として残りの人生をどう生きるか考えられるように。

 同盟基督・福岡めぐみ教会(福岡市西区) 会堂での礼拝、定期集会は中止し、礼拝はネットでライブ配信し、各家庭で礼拝。CSはライブ礼拝に合流。祈祷会は座席間隔を空けて実施。
祈り:①一日も早い終息のために、ワクチンが早く開発されるように、②不安を抱える多くの人々が罪から救われるように、③イースター礼拝と主日礼拝(ネット配信)で神の栄光が現されるように。

 JEC・小森野キリスト教会(久留米市) 3月初めに県知事からの要請があり、3月29日からZOOMを使ってのネット礼拝。40分無料なので、短縮して実施。ホームページに礼拝メッセージの動画を掲載。イースターはメッセージだけ。
祈り:感染すると命に関わる高齢者が守られるように、②そのお世話をしている介護士や施設で働いている人たちの精神的なケアができるように、②早く終息するように。

 インマヌエル久留米キリスト教会(久留米市)3月末までは消毒、マスク、換気を徹底して教会で礼拝をもち、自宅での礼拝を申請された方々には週報とメッセージのアウトラインをファックスで配布した。3月は礼拝のみで聖餐式はやめ、教会学校、昼食の時、午後の集まりは中止に。4月から当面は、教会堂では礼拝は行わない。youtubeのライブ配信による、メッセージと頌栄・祝祷のみの約30分礼拝に切り替えた。見られない人のためには音声データをCDにコピーして後日、配布。ネット礼拝に切り替えたことで、午前10時半に家族そろって礼拝を守ることができて、より一体感が生まれて感謝との声を聞いている。感染がひどい米ニューヨーク州の夫妻もネット礼拝に参加している。信徒には「暗い話題ばかりで一緒に集まれない状況だが、まずは3月いっぱいまで教会で礼拝が持てたということに感謝しましょう」と伝えている。