写真=ミャンマーの光景。お店では売り手も買い物客もマスク姿

ミャンマーは5月14日現在、感染者数181人、死者数6人。ミャンマーでは、仕事や必要以外の外出制限、夜間外出禁止令(午後10時から午前4時まで)といった措置が取られているが、全体のロックダウン(地域封鎖)はせず、感染者が発見された地域ごとに外出制限が行われているという。ミャンマーで医師として奉仕をする荒川泰子さんに話を聞いた。
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 「3月末から4月末まで特別警報が出され、できるだけ家に留まるようにとのことで、食品や薬局などを除く多くのお店や会社が閉店している。ミャンマーでは新年が4月中旬で、例年、暑い中水かけ祭りが盛大に行われるが、今年はすべて中止。この期間は国全体がロックダウンのような状態だった。3月下旬から国境閉鎖、国際旅客機の着陸禁止、ビザ発行停止が行われている。国内では規制は少し緩和され、ソーシャルディスタンスが前提だが、仕事に行くことは許されています」
ミャンマーの医療体制は世界ランキングで下から2番目で、「感染が広がるとかなり厳しい状況になることは容易に予測される」と言う。「新型コロナ対応のためさらに隔離病棟が整えられ、240床で酸素治療が行えるようにし、ICUも整備されつつある。しかし、呼吸器などの医療機器を使える医師がもっと必要だ。多くの病院は緊急以外の手術は延期し、感染症に対応できるよう体制を整えている。医学生たちもボランティアで感染者たちの診療調査にあたっている。現在は首都ヤンゴン市内6か所に発熱クリニックが設置され、発熱のある患者と一般の疾病患者とを仕分ける仕組みを取り、院内感染を避ける試みがされている」
 教会や日本人集会は、4月18日から「5人以上の集会禁止」となり、「全面閉鎖が多いが、オンラインで礼拝している教会も数々ある。月1回の日本語礼拝はLINEで、教会学校もオンラインで行われている」。
 「ミャンマーでとても有名な牧師の集会でクラスターが発生し、4人の牧師を含めた人々が告訴されている」という出来事も挙げた。「神様を信じればウイルスには感染しないと説教で話した本人が感染した。感染者の半数近い人たちがこの感染経路と関わりがある。国民的に有名なロックバンドのクリスチャン歌手も感染し、国中がショックを受けている。そのため、神学的な問題で批判や擁護の声がクリスチャンの中で多くある。このことは、教会が今後伝道していく中で大きな障害になるのではと懸念されている。クリスチャンが互いを批判するのでなく、愛ある対応をし、一致していく必要があると祈らされています」
 【祈りの課題】
 ▽感染がこのまま少なくコントロールされるように。▽ロックダウンは、貧しい人たち、特にスラムに住む人たちの生活を脅かすことになる。経済が持ちこたえ、失業する人が少なく抑えられるように。▽クリスチャンや教会がこの時期どのように主を証しできるか祈り求めていけるように。家に留まるだけでなく、貧しい人や地域やこの社会の必要を敏感に受け止め、具体的に応答していくことができるように。