医療従事者のために祈りを 神奈川県 医療法人社団愛友会いきいきクリニック 武知由佳子

第1波のコロナ診療混乱期、皆様のお祈りにより、キリスト者として世の光地の塩として、いきいきと歩め、感染からも守られたことを感謝致します。さて、一般企業同様、ほぼすべての医療機関は、外来受診控えなどから、経営的に大打撃を受け、院内感染が起これば、外来の閉鎖、入院の受け入れ中止など経済的ダメージ(数億円の赤字)は甚大です。某病院では数百人の看護師が退職願いを出すなど…。 そんな中、東京は200人を超える感染者が連日報告され、市中感染レベルになり、第2波に対抗するには、医療の根幹がぜい弱化し、非常に危機的な状況です。COVID-19最新情報(7月14日時点)を踏まえた上で、私たち医療者のためにぜひお祈りいただければ幸甚です。

◆退院後も症状は持続する(JAMA. July 09, 2020)
イタリアの一つの病院のCOVID-19全患者143人のうち、発症60日後でも、症状が完全消失したのは18人(12・6%)のみで、55%で3種類以上の症状が持続し、32%で1、2種類の症状が持続。疲労53・1%、呼吸困難43・4%、関節痛27・3%,胸部痛21・7%などであり、QOLの悪化は44・1%の患者で認められた。

◆空気感染あり!(Clin Infect Dis. July 06,2020)
32か国の科学者239人が、COVID-19は呼吸や咳により生じた空中を浮遊する小さな飛沫により、数mもしくは部屋サイズの範囲で、空気感染することはほぼ確実であるという論文を発表した。空気感染を防ぐ方法として以下の3点を提示した。①十分かつ効果的な換気を行う。②通常の換気に加え、局所の排気、高効率空気ろ過,殺菌性紫外線などの空気感染対策を行う。③特に公共交通機関や公共の建物では、三密を避ける.

◆COVID-19がまん延したスペインでの抗体保有率は5%と非常に低い(Lancet. July 06, 2020)
①適切な予防策を行えば大半の人は感染を予防できること、②集団免疫は困難で、無理に感染を待つような方策(Sweden)はすべきでないこと、を意味する.また抗体陽性者の2割未満しかPCR検査を受けておらず、抗体陽性者(感染者)の3分の1は無症状であったことは今後の対策に重要な知見で,少なくとも自覚症状のある者や濃厚接触者は確実にPCRを行う必要がある。

祈りの課題

▽世界ではCOVID-19により3千人以上の医療従事者が死亡した。最前線に立つ医療者がCOVID-19から、肉的精神的霊的社会的に守られるように。

▽クリスチャン医療者として世の光地の塩として、揺れ動かされず、目を覚まし、聖い手を上げ祈り続け、働きを全うしていけるように。

▽COVID-19は決して甘く考えてはいけない疾患。特効薬もない現状では、改めて感染予防対策を徹底すべきで、一人ひとりが徹底的に感染予防し、聖別した歩みができるように。

▽ワクチンや治療法の確立とCOVID-19の終息が、早く訪れるように。

▽PCRの精度が上がり、院内感染が起こらないように。

▽発熱患者の診療拒否や入院拒否がなく、コロナ難民が生まれないように。

▽COVID-19以外の病気、がんの治療や一刻を争う急性疾患への診療や治療が手遅れにならないように。

▽こんな中でも、全世界のキリスト者が祈り、福音が前進し、神の国が来るように。