7月26日号紙面:【医療特集】掲示板で注意喚起 発熱 などの症状に神経使う 茨城県筑西市 大田医院
掲示板で注意喚起 発熱 などの症状に神経使う 茨城県筑西市 大田医院
茨城県の西北部に位置する筑西市。農村部で関東内陸工業地域の一角もなしており、農業従事者や技能実習生として日本で働く外国人労働者が多い地域だ。筑西市で地域医療に携わる大田医院(広川国義院長)は広川院長が中国語(北京語、台湾語)、英語が話せるということで、日本で働きに来ている外国人が安心して通院できる医院として知られている。広川院長に、地域の新型コロナ感染状況とその対応について話を聞いた。
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「ここ2か月ぐらい感染者が出なかったのに、数日前、コロナウイルスに感染した患者が出た。隣接する小山市、結城市にも感染者が出たので、第二波ではないかと皆心配している」
開口一番、広川院長は語る。だが、「私が知っている限りでは、近隣の病院関係者で感染した人はいない」とも言う。「東京の総合病院ではクラスターが起きているが、幸い近くの病院は出ていない。リハビリ師が一人感染し休業した病院があったが、接触者はみな陰性だったので2週間後に再開したと聞いている」
大田医院には、今のところ、感染者が来院したケースはない。だが、「時々、発熱、せき、のどの痛みなどの症状がある患者が訪れると神経を使う」と話す。「医院の門のところには、『発熱、風邪、息苦しさ、下痢などの症状がある人は知らせてください。感染の疑いがある人は院内に入らないように』と、日本語、英語、中国語で掲示している。しかし、外国人の方にはよく分からない人が多い。幸い外国人の間には感染は広がっていないようだ。また、時々医院に入った後に熱があることに気づく患者もいる。危ないなと思ったら、家族の方に薬を取りに来てもらうような対応を私はしています」
心配なのは、東京のベッドタウンともいわれている県南で感染者数が増えていることだと広川院長は危惧する。「県南は東京で働いている人が多く、多くの人々は鉄道を使って東京に働きに出かけている。一方、筑西市は地方なので、三密にはなっていないし、市民もマスク、手洗いをし、人混みの中に行かないことを皆守っている。しかし、東京から来られる方も結構いるし、東京まで行かなくてはいけない事情の方もいる。なので、防ぎ切れない部分はある。東京から県南、そして筑西市に感染が広がるのではと市民は心配している。そうならないよう祈っています」と語った。