コロナ禍「不要不急の外出自粛」が「錦の御旗」のよう 「自主」規制のうまみ権力は忘れない Youtubeで基調講演、リレートーク、集会宣言 8・15東京集会

8月15日、「第47回許すな! 靖国国営化8・15東京集会」(同実行委員会主催)が開かれた。今まで「武力によらない真の平和とは、を考えてきた」(長尾邦弘実行委員長)同集会の今回のテーマは「コロナ禍の8・15」。感染症の影響を考慮し、Youtubeで基調報告、リレートーク、集会宣言が配信された。
基調報告は、実行委員で泉バプテスト教会牧師の城倉啓氏。本来この時期に開催されているはずだった東京オリンピックの問題点を批判的に挙げて論じる計画だったが、コロナ禍によりもたらされた事態全体を巨視的に見て、「武力によらない平和の再構築」を構想したいと述べた。

今回明らかになったこととして、軍事力は新型感染症に対して、予防も治癒もできなかったこと、東京一極集中、経済格差による社会的弱者の存在、税制のゆがみと使途の問題などを上げ、目指すべきは、「経済的軍事的小国・道義的倫理的大国になること」だと言う。それに必要なこととして、自足自給できる地方自治体・短時間労働、累進課税による富の再分配、平和外交、の三つの柱を挙げた。
リレートークで語られた一つのテーマは、「緊急事態宣言と自粛要請・主権者意識とお上意識」。「不要不急の外出自粛」「危険防止」が「錦の御旗」のようになり、一つの方向に意見が塗り替わり、それ以外の考えや行動を許さない空気を生むようになった、これは思考停止に陥る危険をはらんでいる、と指摘する。
図書館、公民館の閉鎖で、市民運動は集まる場所を失い、停止を余儀なくされた。集会の自由、信教の自由、教育を受ける権利など「今回、明け渡したものを数えると、これを獲得するのは、あの戦争の大勢の犠牲者をもってしてやっと勝ち取ったところの、途方もないほど重要な民主的な権利ばかりであり、それは失うに簡単で、その自由と権利を獲得するのに何十年もかかるほどの大変なものばかりであることに気が付きます」。  自主的制限、放棄であれ、本来なら大きな痛み抜きにはできないことが、「一時的なのだから仕方がなかった」として、行われてしまった。だが「一時的であれ手放したものが、そう簡単に『一時的』の時間を経れば自然に元に戻るものではないのではないかと不安に思う」。
公権力によってではなく、市民の自発的な協力により自由や権利を制限したことに対し、「このうまみを味わった権力は、この味を忘れない」。民主主義にある個人の権利と自由は不可侵であることを重視し、確認したドイツの首相に触れ、「日本においては市民の側から、その自由と権利を一時的であれ返上した重大性に気が付くこともなく、また時間が経過すれば自然に元に戻ると安易に考えているのではないか」と憂慮した。
リレートークでは他にも「コロナ禍と教育」、「コロナ禍と経済 貧困と格差」、「コロナ禍の中の外国人労働者」、韓国特別リポートとして「韓国のコロナ対策と個人情報保護」が取り上げられた。
最後に「集会宣言」として、今回のコロナ禍における国民の、政府の自粛要請に積極的に従う風潮は、「英霊」を祀(まつ)る靖国神社を国が支えるしくみを受け入れてしまう危険性をはらむこと、イージスアショアの撤回を受けて敵基地攻撃能力の保有を主張することは憲法の平和主義を逸脱すること、を指摘し、「私たちは今、あらためて民主主義の意味を自覚し、基本的人権の大切さを深く受け止め、憲法に保障される信教の自由、政教分離原則を守るため声を上げていきましょう」とうたった。【髙橋昌彦】