日韓和解と平和プラットフォーム「光復/敗戦75年周年共同声明」 歴史の清算と東アジアの平和希求

日韓の宗教者、市民団体が対話を通して政府間対立を乗り越えようと、7月に発足した「日韓和解と平和プラットフォーム」(以下・日韓プラットフォーム)は8月12日、「8・15光復/敗戦75周年 日韓市民社会の共同声明」を発表した。
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共同声明ではまず、韓国側の皇帝による批准手続きを怠っていた「第二次日韓協約」(1905年11月)、10年8月の朝鮮の強制併合、その後36年にわたる過酷な植民地支配による政治的弾圧と経済的収奪。国家神道に基づく皇民化政策による朝鮮社会・文化の破壊、45年侵略戦争と植民地支配終結後の南北の分断、経済的優位の立場から65年に締結したが、不当な軍事・政治的圧力のもと強いられた占領であった韓国併合の歴史とその謝罪と責任について一切言及されなかった日韓条約など日本と朝鮮半島を束縛してきた不条理を挙げた。
その上で日本の政府と国会が、23年関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺、旧日本軍「慰安婦」・徴用工・軍人・軍属などアジア太平洋戦争下の強制連行・強制労働・性的搾取の事実について真摯に向き合い、真相究明委員会を設けることを求めた。
また、▽日本の植民地統治がなかったなら民族分断はありえなかったことを強く認識しつつ、民族分断を克服しようとする韓国の市民社会と宗教者の闘いを支持する。国内外の声を結集し、署名運動、国際キャンペーンなどの活動を通じて9条改憲反対の闘いをさらに推し進め、日本国憲法9条擁護を日韓の平和の中心課題として位置づける、▽韓国の市民社会と宗教者が朝鮮半島における平和プロセスの具体的な進展、推進を確認しつつ、現在展開しつつある「朝鮮半島終戦平和キャンペーン」に世界の市民社会と共に力強く参与していく、▽様々な口実で恣意的に中断し、東アジアの緊張を激化させている安倍政権に抗議し、日本政府に中断している日朝交渉をただちに再開するよう求める、などを表明。
さらに、東アジアの非核地帯化と軍縮、アジア太平洋地域に関わる共同のビジョンとして、▽高齢化した韓国・朝鮮人被爆者に対し早急に徹底して援護措置をとるよう求める、▽沖縄米軍基地問題は日本自身の問題であることを自覚しつつ、非暴力によって新たな基地建設を阻止している沖縄の平和の行動を、支持し連帯していく、▽東アジアの非核化のため、日韓が米国の核の傘から解放され、南北朝鮮と日本が核兵器禁止条約(TPNW)に加入することを強く促す。
日韓次世代の平和教育・人権教育の推進に対して、▽歴史認識のギャップを埋めるためにも、学生・青年・市民が現地研修や文化交流を通して出会い、学び合い、未来を共に担っていく連帯意識を育む事業を日韓両政府に求めると共に、これまでの日韓交流事業をさらに深め推進していく、▽研究者と連携して「日韓歴史市民フォーラム」を日韓相互に開催し、日韓市民社会それぞれの歴史認識に対する建設的対話を続けていく、▽日韓両政府に対し、従前の「国民教育」を改め、東アジアの和解と平和をめざし、多民族・多文化社会にふさわしい「平和教育・人権教育・多文化教育」へと転換することを求める、▽「高校無償化制度」(2010年4月)、「幼児教育・保育無償化制度」(19年10月)、「学生支援緊急給付金制度」(20年5月)から朝鮮学校(幼稚園・高校・大学)を排除する日本政府の差別的政策に対し、これらの措置をただちに撤回することと、在日韓国・朝鮮人をはじめ民族的少数者の人権保障のための法的、制度的施策を求める、などを挙げ、「日韓の真実の和解と平和を目指します」と表明した。