ポストコロナにおける教会の 環境ビジョンのすすめ③ 環境と教会を考える⑧ 寄稿・石原謙治

聖書と祈りを土台に、環境問題への警鐘を鳴らす全世界規模のキャンペーン「創造の季節」(Season of Creation、https://seasonofcreation.org/)が9月1日から始まった。環境意識や持続可能性のテーマに日本の教会でどう取り組めるか。環境NGOでの経験があり、環境と宗教をテーマに研究を続ける石原謙治さんの寄稿の最終回を届ける。
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新型コロナウイルスによるパンデミックは、地球環境にポジティブ・ネガティブの両面で影響を与えています。人の移動が大きく制限される中、様々な地域で大気汚染が改善し、温室効果ガスの排出量が急減したと言われています。また、消費者はオーガニック食品や地産地消など、健康によく、環境に優しく、地元で生産された商品を好むようになったという研究もあります。
一方、感染防止のために、海外ではレジ袋の需要が高まったり、国内でもテイクアウトのための使い捨て容器が増えるなど、昨年まで削減の勢いにあった、身近な使い捨てプラスチックが再び使われるようになりました。感染拡大に配慮しながら、エコな取り組みをすることの難しさを覚えます。
自然や生態系だけを考えるのであれば、人は何も行動しない方が地球環境にとってずっと良いと思うかもしれません。しかし、神様は、自然のために人間が一切行動しないのではなく、自然を適切に管理するように言っておられます(創世記1・26~29)。天地創造の最後に人間を造られた神様は、人間に他の被造物と共生していくことを求めておられるのです。
コロナ禍で改めて気づかされたことは、自然を管理することは決して簡単なことではなく、知恵と努力が必要だということです。心と知性と力を尽くして神様が作られた自然を適切に管理していくことは、実は教会が成長するためにも大切なことかもしれません。、、、、、

2020年9月13日号掲載記事