音楽には気持ちを変える力がある シンガーソングライター DedachiKentaさん

シンガーソングライターのDedachiKenta(デダチケンタ)さんは、音楽好きな牧師家庭で育ち、幼少から賛美歌やゴスペルに親しんでいた。14歳からYouTube配信を始めると、国内外で好評を呼び、教会関係のイベント出演のみならず、2018年には、オフィスオーガスタからデビューするまでにいたった。教会から、音楽業界、世界へと活躍の場を広げるその歩みと、これからについて聞いた。【高橋良知】

賛美歌のYouTube配信から、
一般の音楽シーンの活動へ

ゴスペル、R&B、フォークなどを背景とする楽曲と歌声は「メロウ(心地よく)かつポップ」「透き通って伸びやか」などと表現される。出身は日本だが、インターナショナルスクールという国際的な環境で学び、エド・シーランやアデルといった洋楽にも親しんだ。
「『プロのシンガーを目ざしたい』と父に話すと、最初は戸惑っていた。音楽の道の大変さを予想したのだと思う。その後に、2人でドライブに行く時があった。父は僕のことをどれほど愛しているかを伝えて、僕の夢を応援してくれたんです」
家族の存在は励みとなっている。楽曲「Memories」では母の言葉や父と過ごした思い出が語られる。兄弟8人で楽しく歌う動画をアップしたこともある。
14歳でYouTube配信を始め、活躍の場が広がった。配信は賛美歌やワーシップソングのカバーがメインだったが、ポップスの感性が生かされた。教会を中心とした音楽活動から、視野は一般の音楽シーンへと広がった。洋楽や邦楽のポップスもカバーし、日本のポップス界の一翼を担うオフィス・オーガスタから声がかかった。昨年はファーストアルバム「Rocket Science」をリリース。一般の音楽シーンに出るようになり、「本当に様々な世界観のアーティストと出会い、自分の世界観も広がり、刺激を受けている」と話す。

日本でも米国でもない
「どっちも」が自分

オリジナル曲の歌詞は英語、もしくは英語に日本語を交えたものだ。ポップなリズムの中で、その時々の心情が述べられる。17歳の時に制作した初めてのオリジナル楽曲「This is how I feel」には、生きづらさ、無力感、自分を変えたいという思いが表れている。「当時は『自分らしさ』やアイデンティティーの危機があった」、、、、、、

2020年9月13日号掲載記事