「次世代育成」調査報告 教会・団体・学校協力模索 宣教フォーラム分科会④

JEA宣教フォーラム「コロナ禍で、宣教について考える」が日本福音同盟(JEA)宣教委員会主催で9月29、30日にオンラインで開かれた。同宣教委員会宣教研究部門担当の分科会では、同部門が2019年までにまとめた「次世代を育てる宣教インフラ整備(次世代育成)」調査報告を発表。同報告書では18年5~11月に実施した各教団教派、地域教会、宣教団体、キリスト教学校へのアンケートとインタビューなどをまとめ、同研究部門としての提言も盛り込んだ。

“彼らを育てる人材・体制が足りない”

◇  ◆  ◇
教団教派では、JEAに加盟する29団体から回答。明らかになったのは、次世代の人数が不足している以上に、「次世代がいても彼らを育てる人材、体制が整っていない」という声だった。
分科会で司会を務めた同研究部門メンバーの福井誠氏(日本バプテスト教会連合玉川キリスト教会牧師)は、「変化のための計画をしても、変化のための準備ができていない現状」と指摘した。教団教派ごとにグローバルの展開度の高さや歴史の長さが違い、育成目標についても、職能部門のトップ、団体実務家集団、団体経営者集団ごとに変わることも分析した。
各地域教会については、232教会から回答。次世代育成プログラムの実施状況については、対象の課題(対象が忙しすぎる、対象の興味関心が低い)、教会の課題(対象を指導できる人がいない、対象を指導する方法が分からない)、バックアップ体制の課題(次世代育成の必要性に対する牧師や教会の意識が低い)などの課題があった。「スタッフを教育する時間的余裕がない」「スタッフに時間的余裕がない」などの回答も多かった。
「教会教育の内容は教会自前のものが多い。宣教団体と連携を考えていけないか。宣教団体の活動やキリスト教系学校が近隣にあっても連携は少ない」とも指摘。
「近隣教会との間に連携があっても有志だと継続が難しい。組織運営型に変化させるといい」「宣教団体を通じて出会う交わりの意義は大きい。宣教団体は、教会の立場、、理解を深めたい」「学校の様々な宣教リソース、教育リソースを使えないか。学校には親のためのクラスもある」などの提案をした。また地域に子どもがいても、地域社会とかかわりがなく、つながりを持てないなどの課題も挙げられた。
結婚や家庭への取り組みについては、カウンセリングや個別相談が中心との結果が出た。「クリスチャンホームの形成は期待されるべきことであるが、様々な家族形態のある時代にそぐわない掛け声になり、逆効果をもたらすこともある」と注意をうながす、、、、、

2020年12月6日号掲載記事