コロナ禍 教会はどう対応?

新型コロナウイルス感染拡大で対応に追われる日本の教会。クリスマスを控えたこの時期も、第三波到来でさらに綿密な感染予防が迫られている。緊急事態宣言後の礼拝・諸集会の持ち方、聖餐式や洗礼式実施の有無、クリスマスイベント実施の有無や持ち方などについて、改めて話を聞いた。

【北海道】
JECA・札幌聖書キリスト教会(堀田修一)
4月19日から約1か月会堂での礼拝を休止。午前7時から礼拝を録音、ホームページにアップし各自で礼拝をもったが、5月31日から会堂での礼拝を再開。朝7時から、10時半から、ホームページによる自宅礼拝(基礎疾患のある人)と分散礼拝を行い、今もこの三つを継続。火曜日には、事務員が教会に来れなかった人やネットを使えない教会員全員に、牧師による今週のお便り、礼拝メッセージ原稿、必要な書類を送付し、喜ばれている。聖餐式はしていないが、牧師が聖餐の祈りをし、心の中でパンとぶどう酒を味わうことをしている。12月13日礼拝後、縮小して子どもクリスマス会をする。20日はクリスマス礼拝で食事会はなし。イブ礼拝は中止。代わりに「クリスマス家庭礼拝の手引き」を配布し、これを用いて家庭でクリスマスを過ごすよう勧めた。毎日午後6時から11時の間に、コロナの終息とワクチンの開発、互いの家庭が守られるよう、教会員皆で祈っている。
同盟基督・新札幌聖書教会(武田将幸)
感染予防は緊急事態宣言下の頃と変わらないが、解除後は礼拝が午前中2回、午後1回の形に戻し、オンラインでの礼拝も並行して行っている。昼食会は引き続き休止中。祈り会はじめ諸集会は徐々に再開し始めているが、各集会の担当者が牧会スタッフと相談し、やるかやらないか判断している。
教会員皆が賛美を発表している毎年恒例のクリスマス祝会は、事前収録したものを皆で見るという形にした。クリスマス礼拝、イブ礼拝は例年通り行う。第一波の時は学校休校に合わせて集会を自粛したが、今後はどの基準で判断すればいいのか、対応が難しいと感じている。

【埼玉】
日基教団・大宮教会(熊江秀一)
秋口まで、礼拝、祈祷会にしぼって開催。夜の祈祷会は中止した。11月には、各部の礼拝、地域集会を短時間で食事なしで実施した。感染拡大を受けて、アドベント第2週まで礼拝はオンライン配信。3週から第1、第2、第3礼拝に人数分散して実施。入れない場合は地下のホールも利用する。12月13日は、礼拝と共にワーシップ礼拝も感染予防に配慮して開催する予定。
20日にクリスマス礼拝を実施するが、分散する。クリスマス礼拝には受洗者がいる。聖餐式もできない中だが、信仰生活が守られるように。イブ礼拝も通常だと200人きてしまうので、奉仕者のみ集まりYouTubeで同時配信の予定。配信は来年も続く可能性がある。
新型コロナ感染拡大終息を願う。この期間、葬儀が8回あった。施設、病院の訪問すらできない中、心を込めて葬儀した。高齢で施設にいる人の健康が守られるように。教会の信仰が守られるように。関東教区の事務所もあり、教区の牧師の按手礼は実施できた。様々な委員会で会堂が利用される。教区のそれぞれの教会も覚えたい。
ホーリネス・坂戸教会(郷家一二三)
10月から60人定員の4回(各45分)礼拝に変更し、第2週のグリーンチャペルでの礼拝と、ホワイトチャペルでの夕拝を再開。祈祷会は集う形とZoomで祈り合う。教会学校は幼・小・中高科が分散して集っている。クリスマス礼拝も4部で行う。イブ礼拝は1回のみ。
第43回チャリティー・クリスマスは、「トリオ・ミルトス」のコンサートを実施。幼児園の聖誕劇も行えた。今後も感染対策をし、4部礼拝を継続する。集えない人への訪問支援を丁寧に行い、主に結ばれ、祈りつつ福音を届けている。
クリスマスが安全なかたちで実施されることは、教区でも共通の祈りだ。特別な時なので、福音は伝えたい。神様に守られながら安全な形でできるように。

【千葉】
イエス・キリスト・ファミリー教会(大橋由亨)
第1、第2、別会場、ライブ配信と礼拝回数を増やして、人数を減らすように工夫。11月に久しぶりに細心の注意を払って聖餐式を行う。パンを割き、一人一人前に出てパンを受け取るスタイルだったが、個々に焼いたパンを手袋をはめた上でトングでわたす。前に出るときも距離を空ける。盃も指が触れないよう、お盆に間をおいて取れるようにするなどした。久しぶりの聖餐式に感動があったが、今後感染拡大でできるかどうか心配。洗礼を施す場合は細心の注意が必要だが、時期をずらす必要があるかもしれない。バイブルスタディー、祈祷会、役員会などはZoomで実施。
クリスマスも出席者20人以上にしたくないので分散して礼拝する。毎年恒例のポットラックなどはせず、通常礼拝の時間でクリスマス礼拝とする。持病や高齢の人が守られるように。実際に集まれない状況の中、神の家族のきずなの意識が薄れるのは怖い。会えなくても、互いに愛し合うことを維持していきたい。
長老教会・おゆみ野キリスト教会土気チャペル(永田信昭)
千葉県の施設使用判断を参考に対策し、長期的な方針をまとめている。一回一回の市内でのクラスター発生に左右されず対応できるようにしている。礼拝は対面とZoomの併用。三つのチャペルがあるが、それぞれ礼拝回数を増やしたりしている。聖餐式は細心の注意を払って実施。洗礼式もしている。諸集会も人数を決めて、それ以上になるときはZoomを使う。
クリスマスイベントは人を集めて行うものは少ないが、なるべくやる方針で工夫している。クリスマス礼拝、イブ礼拝は、それぞれのチャペルで換気を工夫して実施。ファミリー向けや若者向けの集会を予定しているチャペルもある。ゴスペルイベントは無観客配信となる。教会関係で感染者は出ず、各ミニストリー、礼拝が続けられている。臨時総会も実施し、必要な話し合いができた。来年度は新体制でやっていくことを考えている。この状況の中で福音宣教に貢献する働きができるように。

【東京】
イエス・キリスト・荻窪栄光教会(井上義実)
通常200席ある礼拝堂の会衆席を夏までに40席、秋から70席にした。オンライン礼拝も併用。礼拝では換気に注意しつつ、CO2濃度測定機でリアルタイムに観測。賛美の時はマスクを着用し、一節のみ小声で歌う。冬場は大変だが床暖房があり、各自でひざ掛けを着用してもらうなど工夫している。聖餐式はもともと年4回の実施。10月は聖餐月間として、週ごと年代ごとに出席してもらい、洗礼式は滴礼で実施。教会学校や祈祷会はオンラインで実施している。
待降節4週間すべての礼拝をクリスマス礼拝として、年代を区分して1回でも参加できるようにした。クリスマス祝会、キャンドルサービスもオンラインで実施する。
「メサイア公演」は53回を迎えるが、公共の公会堂は使わず、礼拝堂で演奏者だけが集まり、曲数を減らし、ライブ配信をする。通常は公共の施設だったので牧師は挨拶のみだったが、今回はしっかりメッセージを届ける。
高齢者、病弱な人のため、長く来ていない人もいるが、この状況を乗り越えていけるように群れが守られ、一致が保たれるように。主の語り掛けを聞けるように。次年度に向け、この状況の中での宣教の在り方を考えていけるように、祈り求めている。
東京バプテスト教会(渡辺聡)
緊急事態宣言後のコロナ対策として、教会堂で礼拝したい人には、ネットで予約してもらい、人数を制限。当日は検温、フェイスシールドかマスクの着用、消毒、ソーシャルディスタンス、窓を開け換気をよくするなど感染対策した上で行っている。教会に来られない人はオンラインの礼拝に参加し、その後にオンラインのスモールグループなどで課題を分かち合っている。
ミニストリーは密になるものは活動を停止しているが、オンライン等でできるものはそちらに移行。クリスマス礼拝は基本的に例年通りで、これもオンラインと並行して行う。主の晩餐式は現在礼拝では行っていない。コロナ禍で一緒に集まれないが、オンラインによって、地方の人や教会堂には来られなかった人が礼拝やスモールグループに参加するようになった。
町田クリスチャンセンター(杉本玲子)
緊急事態宣言以来、オンラインを併用し、会堂で1時間の短縮礼拝を3回に分けて継続し、現在に至っている。キッズ・中高生プログラム、祈祷会はZoomで継続、地域向けの英語クラスとキッズプログラムは少人数で対面で行っている。この間、洗礼式を2回(1回は近隣教会をお借りして)持たせていただけたのは、感謝だった。聖餐式は休止していたが、11月より個別聖餐セット(海外からのプレゼントで容器は使い捨て)を用いている。
クリスマスイベントは、「感染予防して、みんなで集まりたい」と200人規模の会場を借り、楽器演奏を中心とした賛美、「史上最高のプレゼント」と題した劇、キッズ参加の生誕劇(数年前の録画)、キャンドルサービス、メッセージなどを予定している(ホールは意外に予約しやすかった)。クリスマス礼拝、イブ礼拝は例年通り教会で行う。食事会、キャロリングは中止する。

【神奈川】
JECA・本郷台キリスト教会(池田恵賜)
通常、主日に4回の礼拝を行っていたが、宣言以後、インターネットによる礼拝のライブ配信のみにした。ネット環境の無い人のみ、会堂に集まって配信ビデオを見られるようにした。宣言解除後も、慎重に判断をして、会堂に集まることを再開したのは8月から。動画配信も併行している。夜の礼拝は行わず、回数は3回。現在ビデオで行っている第3礼拝も、通常に戻したいが、第3波を考えると少し先になる。
聖餐式はネット礼拝のみの時から、各自パンとブドウ液を用意して、第1主日に行った。現在も会堂での聖餐式には、パンとブドウ液があらかじめ個別にセットされているものを使っている。洗礼式も近隣の海で行った。クリスマスには、通常通り会堂で礼拝の中で行う予定。
イベントとしては、教会の敷地内で、屋外クリスマスマーケットを企画。今年初めての試みだが、企画への要望があり、コロナ対策ということではない。例年行っている屋内でのイベントは中止か、縮小してネット配信することになるだろう。
日基教団・横浜指路教会(藤掛順一)
4月から、教職者と長老のみで礼拝を行い、信徒には自宅での礼拝を指示した。音声だけを録音で配信したが、内容は聖書朗読、説教、祈りのみ。希望者には説教原稿を郵送。動画配信はしていない。6月第3週から会堂での礼拝を再開したが、3回に分けて出席者を分散。夕礼拝は休止のまま。教会学校(CS)も9月から再開したが、分級なしの礼拝のみで、30分。礼拝出席は、基本的に信徒が自主的に判断している。この形態でなら、感染リスクを考慮しても、まだ続けていけると判断している。
洗礼式は行ったが、聖餐式は4月以降行っていない。クリスマスも無理だろう。洗礼を受けながら聖餐にまだあずかれていない人がいる。例年24日には賛美夕礼拝を2回行い、合わせて600人くらいの来会者がいたが、今年は中止。代わりにクリスマスメッセージ動画(オルガン演奏、聖書朗読、説教)を、13日から1月6日まで配信の予定。

【愛知】
ヒズコールチャーチ(細江政人)
宣言が出てからは会堂に集まらないようにし、以前から行っていたネットでの礼拝のライブ配信を推奨。会堂での礼拝再開は、宣言解除とは別に教会として行い、現在は信徒各自の判断で、会堂での礼拝とネットの両方で行っている。出席人数は、以前の7割くらいか。礼拝の回数も以前と同様、2回。3月から、オゾンを発生する空気清浄器を会堂で使用している。奈良県立医科大学によって、コロナウイルスを不活性化する効果が確認されたもの。第3波が言われる段階でも、この形態で礼拝を続ける。礼拝以外も、祈祷会は少人数で継続している。
4月以降、聖餐式は行っていない。洗礼式は、本人の希望で行った。通常通り、全浸礼で礼拝に引き続いての形で。例年、クリスマス礼拝の中でクリスマスプログラムを行っているが、このような時だからこそ、信仰を持って例年どおり行う。そのための対策は取っているので。

JECA・自由ヶ丘キリスト教会(羽鳥頼和)
4月から礼拝は、2グループに分け、隔週で集っている。座席も、愛知県の指針に沿って間隔を空けた。オンラインも併用。どちらにするかは信徒の自主判断。教会学校(CS)もオンラインで行っている。
もともと隔週で行っていた夕拝も継続。祈祷会は、ロの字型に座っていたものを、礼拝のように対面にした。5月の宣言解除後も同じ対応。聖餐式は、手袋をはめた司式者が分餐し、パンには爪楊枝を付けて。洗礼式も、親族だけの出席で行った。
例年クリスマス伝道集会を行っているが、人数を制限し、身近な人だけを招く。イブのキャンドルサービスも、規模を縮小し、賛美も工夫して行う予定。

【奈良県】
同盟基督・生駒めぐみ教会(中谷美津雄)
礼拝は1時間に短縮し、人数制限をして行っている。基礎疾患を持っている人や高齢者には、ネット礼拝を呼び掛けている。
24日のイブは今年は賛美ができないため、NHKで演奏された「メサイア」を聴く会を開く。これまで何度か「メサイア」鑑賞会をし、最後の「ハレルヤコーラス」を共に賛美していたが、今年はできない。

【大阪府】
福音自由・グレース宣教会(堀内顕)
大阪府が提示した自粛期間の15日まで完全オンライン礼拝にし、ネットに対応できない教会員には後日CDを配布する。クリスマスのピアノコンサートも配信する予定だが、20日のクリスマス礼拝のやり方は4日現在保留にしている。
ニューライフキリスト教会(豊田信行)
12月1、2週の礼拝はオンラインのみ。教会では判断基準として「重傷者病床数が50%超」「地域の公共施設の状況」「地域の教会の動向」を見つつこれまで対応してきている。20日のクリスマス礼拝は再開予定だが、実現しても会食はしない。
高槻聖書バプテスト教会(ジョージ・H・キング)
教会員に医療関係者が多く、職場から5人以上になる場所への自粛を求められている人もいる。徹底した感染予防対策を行い、オンラインを駆使している。おかげでZoomを使った日曜学校に親子で参加する姿が見られ、コロナ禍にも、それを通した恵みがある。
MB・石橋キリスト教会(船橋誠)
現在礼拝はオンラインと並行して、土曜夜1回と日曜3回行う分散型。24日の夜はオンラインでメッセージや賛美の他、クリスマスメニューをレクチャーする楽しいプログラムを企画している。

【兵庫県】
オープン・バイブル・神戸キリスト栄光教会(菅原亘)
礼拝は三密にならないように4人掛けの椅子に2人で座り、扉や窓を開けて行い、同時にYouTu
beで配信している。クリスマス礼拝も分散して、時間差礼拝を行う。
改革派・神港教会(岩崎謙)
クリスマス礼拝の午後の祝会は行わない。24日のイブ礼拝は夕拝に準ずる形で行う予定だが、状況によってライブ配信のみも可能性も。教会員にはプロの音楽家が数人いるため、毎年クリスマスの演奏を楽しみにしている人のためにライブ配信する予定。
兄弟団・ニューコミュニティ西宮チャペル(小平牧生)
人数制限して午前午後2回礼拝している。アドベントの1週目から、クリスマスを待ち望む内容の動画を1本ずつ配信中。イブには5本目を配信して、オンライン上で共にお祝いする。

【福岡県】
インマヌエル久留米キリスト教会(吉村和記)
4、5月は完全オンライン礼拝で、6月からオンラインと並行し会堂での礼拝を再開。会堂では窓を開けて換気をし、一般的な感染予防対策をしながら礼拝を続けている。聖餐式はしていないが、洗礼式は9月に一人、司式者はマスク着用で行った。クリスマスは12月20日に予定していたコンサートを中止し、愛餐会も中止にした。クリスマス礼拝はオンラインと並行しいつもどおり行うが、今年は各家庭でのファミリークリスマスを大切にしましょうと言っている。
感染予防に対して信徒の意識に温度差がある。久留米市は感染者がそんなに出ていないが、感染者が多い福岡市在住の信徒は会堂での礼拝を控え、自宅でオンライン礼拝を守っている。
博多キリスト教会(佐味健志)
密を避けるため、8月終わりから礼拝を2部制に変更。一般的な感染予防について注意喚起しながら行ってきた。福岡は都市部としてはまだ全国的に感染者が少ないが、いずれ感染爆発が来るだろうと予想しつつ、一般的な感染予防をしながら様子を見ている。
聖餐式はいったん停止したが、教会として大切なものなので再開。手袋をした配膳担当者が直接手渡す形で、極力感染予防に配慮しつつ行っている。それでも抵抗ある信徒には「辞退してもよい」と説明している。
クリスマス礼拝、イブ礼拝はより注意喚起しながら行う。食事会はしない。イブ礼拝後のキャロリングは、集団で回って賛美するので飛沫の問題があり、どうするか検討中。CSも休止していたが、9月から再開。クリスマス会はCSの時間内で行う。