元銭湯が「人々を助ける教会」に 沖縄ベタニヤチャーチ新会堂スタート

会堂の外観

沖縄ベタニヤチャーチ(那覇市、山内昌良主任牧師)が、前会堂の老朽化に伴い昨年新会堂に移転し、12月13日に教会移転セレモニーを開いた。新型コロナウィルスの感染状況を注視しつつ、献堂式を5月か6月には行いたいと願っている。
新会堂は元スーパー銭湯。5階建てのビルで、1階は教会事務所と駐車場、2、3階は駐車場で4階が礼拝堂、5階は礼拝後の交わりができる約100人収容可能な食堂だ。礼拝堂は座り心地のいい椅子を備え、コンサートも可能な広さを確保。映画会もできる大きなスクリーンを備え付けたプロジェクターを設置した。
同教会はNPO法人プロミスキーパーズを立ち上げ、刑務所出所者や生活困窮者、母子家庭の支援などを実施。15室あるシェルターは現在満室。コロナ禍にDVに遭って逃げてきた女性、ホームレスや精神障がいを持った人たちを、行政や福祉機関と連携し助けている。
5年前から週6回、民家を借り子ども食堂もしている。今月から週2回、シングルマザーを中心に支援する「ママ食堂」をスタートした。信徒が経営するそば屋がコロナ禍で夕刻の営業ができないため、店舗を借りられたという。

礼拝堂内

こうした支援活動の中で救われる人は多い。NPO法人のスタッフの半数は元利用者だ。「助けられたのだから、今度は助ける側に回る」と喜んで働いている。新会堂となったビル1棟の改築のほとんども電気工事や水道工事、大工など技術を持った元ホームレスや元受刑者の手で完成できた。
教会のモットーは「鍵をかけずに24時間門戸を開き、いつでも人々を助ける教会」「弱い人、貧しい人、そして苦しんでいる人々に愛の手を」。山内牧師は、「キリストを信じて人が変わっていく姿を見るのがうれしい」と喜ぶ。新たな場所で、多くの人がキリストに出会い、愛を配る側に回ることを期待している。