“楽しむ”からアイデア広がる 建築塗装から、古民家再生、自動車塗装まで 上野美装代表 上野修三さん

茨城県古河市の「有限会社 上野美装」代表の上野修三さんは、塗装から出発し、防水、修繕、改装など業種を広げている。
「従来は、自動車産業がいい例だが、分業が進むと、たくさんの職人を抱えることになる。今はだんだんと個人で責任をもってマルチにやる方向になり、できない部分を他者と協力してやるという方向に変わってきています」

古民家再生に力を入れた時期もあった。自身で古民家を入手して、実験的に改修。元々の柱の雰囲気を生かしつつ、新たに、壁や板張り、ライトを加えて現代的な雰囲気をかもした。


事務所にも、板張り囲炉裏付きの一室があった。自作のヒョウタン工芸品も並ぶ。「ソーラー発電や床暖房など設備にお金をかけがちだが、空気を含んだ木材は温かい。神様が与えた自然でエコゼロにできる方向が大事だなと思います」

「古民家は2年で3件くらい取り組んだ。のめり込んだときの知識やアイデアが別のことにも生きている。神様から導いてもらったと思う。いろんなことが好きで、いろんなことをやってみて、その結果自分がある。かえって固執して塗装だけやっていたら、会社として残っていなかったかもしれません」

写真=聖書学院の建物。上が改装後、下が改装前

所属する基督兄弟団が所有する聖書学院の改修も実施した。宿泊施設があるが、老朽化していた。それらも元の雰囲気を生かしながら改修した。「東日本大震災も乗り越えてきた建物。使い勝手も分かるし、雰囲気も残した。このようにわざわざ建て直さなくても改築で十分という物件も多い」

「新築でデザインがよくても、実験的なものがあったりして、実際に暮らすと不便なこともある。改築のほうが、実際に住んでみると具体的な問題が分かり、お客さんの不便さを解消することになるので面白い」と話す。

塗装についても、7、8年で塗り替えになるコーキング塗装は少なくしたり、建材を縦に使うなどして長持ちを心掛け、、、、、

(後半は、自動車塗装まで広がる上野さんの思いが語られます。2021年4月11日号掲載記事