忠実な信徒のふりをして既成教会に潜入し、ひそかに自分たちの聖書解釈を植え付けて仲間を増やしていき教会を乗っ取ってしまう新手の異端「新天地イエス教証拠(あかしの)幕屋聖殿」が、韓国で猛威をふるっている。有名な大教会でも軒並み大量の信徒が奪われたり、中小の教会ではまるごと乗っ取られるなどして、韓国教会における教勢低下の大きな原因となっていると言われる。
新天地の工作員「収穫の働き人」はすでに日本の教会にも潜入しており、それに気づいた信徒が事態を憂慮する一方、楽観視する牧師との間に亀裂が生じるなど、一部の教会で混乱も報告されている。在日韓国人宣教師らは危機感を募らせ、日本への悪影響をとどめようと、韓国から異端専門家を招き「新天地」をはじめとする新種の韓国発異端に対応するための対策セミナーを頻繁に開催した。
そうした中で、東京・新宿で学生伝道に取り組んできた韓国人牧師が、統一協会員との出会いの経験を通して異端問題に重荷をもち、韓国の異端相談所で「新天地」対策の第一人者から訓練を受けて11月に「日本キリスト教異端相談所」を開設した。韓国から次々に新しい異端が流入してくる事態に、日本の異端カルトカウンセラーだけでは対応し切れていなかったが、韓国の専門機関を後ろ盾とした相談所の開設で、最新情報に裏づけられた対策が取りやすくなるものと注目される。
日本福音同盟(JEA)は昨年、韓国基督教総連合会(CCK)と宣教協約を結んだが、その背景の一つには異端問題での連携の必要があった。韓国の専門機関と太いパイプをもつ異端相談所の開設で、日韓教会の連携の強化が期待されている。