ナイジェリア・インド・イラク・シリア 世界の迫害状況 祈りの課題③

オープン・ドアーズの報告書「ワールド・ウォッチ・リスト2021」により、迫害が特に深刻だとして挙げられた12の国の状況と祈祷課題を抜粋、掲載する。記事内の番号は①迫害の源泉②指導者③総人口④クリスチャン人口⑤主な宗教

ナイジェリア
※この国では、世界で最も多くの数のクリスチャンが、その信仰ゆえに殺害されている。
①イスラムの弾圧②大統領ムハンマド・ブハリ③2億615万3千人④9千535万8千人(総人口比46・3%)⑤イスラム教とキリスト教

イスラム過激派グループからの暴力的な攻撃は、ナイジェリアの北部と中央地帯で日常的であり、さらに南部でより深刻である。過激派はクリスチャンを殺害し、その財産や生計手段を破壊する。特に男性と少年が殺害されている。残された女性と子どもたちは、しばしば非公式のキャンプに連れて行かれ、性的暴力、誘拐や強制結婚の危険にさらされている。

【祈りの課題】▽家から離され、家族と家を失い、トラウマに苦しむ人のために▽主が、誘拐された者のそばにいてくださるよう。彼らが解放、救助されるように。▽大統領ブハリとその政府のために。彼らがすべての市民を保護するために断固たる行動を取るように。

インド
※この国が2019年に迫害が深刻な国のリスト10位以内に入ってから、3年になる。
①宗教ナショナリズム②首相ナレンドラ・モディ③13億8千319万8千人④6千735万6千人(総人口比4・9%)⑤ヒンドゥー教

ヒンドゥー教の過激派は、すべてのインド人はヒンドゥー教教徒でなければならず、国はキリスト教とイスラム教を排除すべきであると信じている。この目標を達成するため、彼らは暴力を用い、特にヒンドゥー教から改宗したクリスチャンを標的にする。村では「異国の宗教」を信じていると指弾され、暴力を振るわれることもしばしばである。彼らが「再改宗」しない場合、村のコミュニティからは断絶され、収入の道は断たれ、食料を買うことさえ困難になる。

【祈りの課題】▽人々は、奇跡的な癒しとインドのクリスチャンの生き方を見ることで、信仰に導かれている。神に栄光があるように。より多くの人がイエスを知るように。▽我々の兄弟姉妹、特に信じて間もないクリスチャンや地方で孤立して暮らすクリスチャンが守られるように。▽神が、オープン・ドアーズのパートナーを通して引き続き実際的な支援をもたらしてくださるように。特にパンデミックの間、知恵と力が与えられるように。

イラク
※イラクでは、キリスト教に改宗者してもクリスチャンとの結婚は許されない。法律上は依然イスラム教徒だからである。
①イスラムの弾圧②大統領バルハム・サリ③4千150万3千人④17万5千人(総人口比0・4%)⑤イスラム教

何年にもわたる暴力の後、イラクには不確実ながら平和が訪れたようにも見えたが、2020年には政府に対する暴力的な抗議デモが繰り返された。不安定さは、現在も繰り返されるクリスチャンへの迫害を、今も呼び込んでいる。イスラム教から改宗した者は、家族親族、氏族の指導者、および広く社会から圧力と脅威にさらされる危険があるので、信仰を公にはしない。加えて、イスラム過激派は依然活動を続けており、クリスチャンを攻撃し、誘拐している。
【祈りの課題】▽この国で道が開かれ、暴力の波が収まるように。神がクリスチャンの心と生活に平和を植え付けてくれるように。▽イラクの指導者たちの心が神に立ち返り、国を導く知恵が与えられるように。▽クリスチャンが福音を分かち合うように、神がすばらしい機会を与え始めてくださっている。イラクの人々の間で、真の神に対する聖なる飢え渇きが起こるように。

シリア
※今年の3月でシリアの内戦は10年目を迎えた。
①イスラムの弾圧②大統領バッシャール・アル・アサド③千892万4千人④67万7千人(総人口比3・6%)⑤イスラム教
シリアで進行中の内戦は、国をキリスト教への迫害の温床に変えた。パンデミックが発生するまで、緩和されつつあるかに見えた不安は、COVID-19によって引き起こされた経済危機によって一気に悪化した。戦争とイスラム過激派の台頭の結果として、多くのクリスチャンは依然として国内避難民、他の国で難民として暮らしている。イスラム過激派グループによって支配されている地域では、信仰を公にすることは禁止され、ほとんどの教会が押収、破壊された。
【祈りの課題】▽難民となったクリスチャンが元の家と日常生活に戻れるように。帰還した人々が、継続的に生活を再建できるように。▽シリアのクリスチャンが希望の光となり、トラウマや、食糧、物資の不足に苦しむ人々に慰めをあたえられるように。▽神の言葉がシリアの地に満ちあふれ、人々が聖書を通して新しい喜び、力、希望を見いだせるように。(終わり)