教会から「離散の民」現象起きている 第4回香港を覚えての祈祷会

反逃亡犯条例運動:2019年10月撮影

選挙制度の見直し、メディアへの干渉など、すでに香港における「一国二制度」は有名無実化したとも言われる。一連の状況に思いを寄せる日本の有志の牧師・信徒らによる隔月定例の「香港を覚えての祈祷会」が5月24日にオンラインで開催され、80人以上が参加した。香港からの報告では教育現場の状況が伝えられた。
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奨励担当の平野克己さん(日基教団・代田教会牧師)はⅠペトロ5章8~10節(新共同訳、以下同)から「悪魔に抵抗しなさい」と語った。「現代の教会では、悪魔について声高に語るのは注意が必要だが、イエス様から『サタン、引き下がれ』(マタイ16章23節)と言われたペトロは、私たちよりずっと悪魔について知っている。悪魔はドアの外ではなく、私たち心の内側に入り、教会の群れを散り散りにします」
抵抗の方法として「暴力の世界で、柔和に生きること」を勧めた。「一緒に歌い、食べ、祈る。これは現実から逃げるのではなく、世界中の人たちが『悪夢』にうなされている中で、主イエスが始められたもう一つの現実を見るために、目を覚ますことです」
2019年来の香港の市民デモでは、「歌え、神に向かってハレルヤ」がテーマソングになった。しかし「やがて市民による暴力が激化し、子羊であるのに獅子のようになり、暴力に暴力で抵抗するようになった」と悔やむ。「だが歌声は消えていない。神は皆が歌ったことを忘れてはいない。私たちも日本で同じ歌声を上げることができる。世界を治めるのは愚かな政治家たちではなく、主イエス・キリストだ」と励ました。

香港で青年伝道にかかわるAさんが教育現場や教会の様子を語った。今年1月31日に英国は香港市民向けの特別ビザの申請受付を始めた。約30万人が応じると予測されている。一方、香港内では民主化活動家の監視が強まっている。「この状況下で教会は、信教の自由、教育、新しい選挙制度、民主制度維持に関する問題に目をそむけてはいけない」と述べた。

(Aさんは教育現場の危機についても語ります。2021年6月13日号掲載記事