左からヒー氏、岩上氏

アジア福音同盟(AEA)女性委員会主催オンラインセミナーが7月2日、開催された。テーマは「COVID-19の中でのグリーフケア」。講師は日本福音同盟(JEA)女性委員の岩上真歩子氏(日本ホーリネス教団久喜教会牧師、心のケアミニストリータリタ・クム代表)。COVID-19におけるグリーフケアとは何か、グリーフケアを実践することの大切さについて学んだ。(レポート=JEA女性委員会)

AEA女性委員長のグレイス・ヒー氏(マレーシア)の司会により、最初にワーシップで心を主に向けた後、岩上氏の「COVID-19における教会の使命は何か」という問いからグリーフケアセミナーは始まった。岩上氏は「それはキリストの愛に基づくグリーフケア」であると述べる。新型コロナ感染により、私たちは多くの大切な人やものを喪失した。その喪失は、私たちの生活のあらゆる面に影響を及ぼし、私たちのアイデンティティーをも揺り動かすものである。だからこそ、私たちはこの喪失から目をそらすのではなく、失ったものを見つめなおすことが大切である。その喪失の意味を主の前に思いめぐらすとき、神様は一人ひとりに語りかけ、天からの慰めを与え、私たちを人に慰めを与える者と造り変えてくださる、と(Ⅱコリント1章3~7節参照)。

世界18か国から215人が参加した

グリーフケアの基本は、「聴くこと」である。喪失による悲嘆の中にある方々の話を聴くとき、まずしっかりとその人の話に耳を傾けることの重要性が語られた。話を聴く前についアドバイスをしたり、安易に励ましたりしてしまいがちであることに警鐘が鳴らされた。
最後に岩上氏は、グリーフケアのモデルは、エマオの途上の弟子たちと共に歩まれたイエス様の姿であると言う。愛する主を失い、生きる意味を失い、エマオに歩いていく弟子たちに対し、イエス様は①近づき、②共に歩き、③話に耳を傾け、④御言葉を開き、⑤共に食卓につかれた。これがグリーフケアのモデルである、と。イエス様に倣い、私たちもまたパンデミックの中で、愛する人を失い、痛みの中にある一人ひとりに近づき、共に歩く者、またそのような教会でありたいと語った。
岩上氏の講演の後、インドのアシマ姉から、インドのCOVID-19の現状の中、悲しみと苦しみの中に置かれている一人の女性の証しがあった。またマレーシアのグレイス姉は1か月前、夫をCOV
ID-19で天にお送りしたこと、悲しみの中にある胸の内を、涙ながらに証しした。
集会後には、小グループに分かれて、それぞれ、自らのストーリーを分かち合った。参加者一人ひとりが恵みに満たされ、主からの慰めと励ましを受けるひと時となった。このセミナーの参加者はアジア及び世界から18か国、215人であり、日本からも31人の参加者があった。
AEA女性委員会では、アジアのクリスチャン女性が強められ、神の国のために、それぞれの国、地域社会、教会で女性リーダーとなり、大切な役割を担っている者として認識されることをビジョンとし、活動を進めている。そのビジョンの下に今回の女性委員会セミナーが開催された。JEA女性委員会では岩上真歩子氏を派遣し、AEA女性委員会またAEAと連携し、協働していくことを願っている。