熱海土砂災害 台湾長老教会から県に義援金 「患難において共感の情が生まれている」

7月26日、静岡県庁の知事室において、台湾基督長老教会からの熱海土砂災害義援金200万円の目録と親書が、静岡県知事の川勝平太氏に贈られた。
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当日、県庁の災害と外交の各担当部署の責任者も出席の場で、台湾基督長老教会からの熱海土砂災害義援金200万円の「目録」が、代理人で元台湾駐在宣教師である日本イエス・キリスト教団神田川キリスト教会牧師の二宮一朗氏によって、川勝氏に手渡された。また、同教会総会議長の徐信得牧師と総会総幹事の陳信良牧師の連名による「親書」が読み上げられた。親書は2009年の台湾水害発生時の日本からの援助への感謝とともに、「お互いの間に、患難において心を共にする共感の情が生まれていることを覚えます」としている。

写真上=親書を手に。左から川勝知事、二宮氏

日本で発生した災害の被災者に対し、限りない愛と犠牲と祈りで寄り添う台湾の人々の姿に、県知事の川勝氏はじめ出席者が皆、感謝と感動を覚える時となった。同県への海外からの義援金は初めてとのこと。また、キリスト教会からの義援金であることに、知事が感謝した。
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「7月3日、熱海市伊豆山地区において発生した土石流は、逢初川の源頭部の標高約390m地点から逢初川を流下した。土石流により被災した範囲は、延長約1㎞、最大幅約120mにわたる。7月29日現在で、この災害による人的被害は、死者22人、行方不明者5人、中等症3人、その他5人、避難者331人。物的被害は、被害棟数131棟(128世帯、216人)に及んだ。
この災害にいち早く反応した教会は、隣国台湾の台湾基督長老教会だった。同教団のフェイスブックページ「長老教會教會與社會委員會」(長老教会 教会と社会委員会)では、災害が発生した当日午後4時3分には、祈祷依頼と募金活動の記事が掲載された。

知事室にて

さらに2日後には、その記事を書いた委員会の幹事である林偉聯牧師から、元台湾基督長老教会外籍宣教師である二宮氏のもとに電話が入った。「このたびの被災のために、既に多くの献金が教会内の信徒と教会外の市民から献げられている。私たちは、宣教協約関係の教団・宣教団体に災害救援計画があれば、支援献金を送金したい。しかし、まずは被災地である静岡県の県庁に200万円寄贈したい。あなたの教団に送金するから、静岡県に届け欲しい」。そして、災害発生5日後には台湾基督長老教会からの災害義援献金200万円が日本に届けられ、静岡県へも通知され、このたび目録と親書が届けられた。
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親書の最後には、次の御言葉が記されていた。「私たちがあなたがたについて抱いている望みは揺るぎません。なぜなら、あなたがたが私たちと苦しみをともにしているように、慰めもともにしていることを、私たちは知っているからです。」(Ⅱコリント1章7節)(電子版URL https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/csdb/?p=37459に「親書」全文)