日本キリスト教会「『安全保障関連法案』採決に対する反対声明」
内閣総理大臣
安倍 晋三 様
2015年7月17日
日本キリスト教会
大会議長 田部 郁彦
「安全保障関連法案」採決に対する反対声明
わたしたち日本キリスト教会は、7月16日、安倍内閣が衆議院本会議において、集
団的自衛権の行使を可能とする安全保障法案の採決を強行し、可決に至らせたことに深
く憂慮し、反対し、強く抗議するものであります。
この法案は明らかに立憲主義の原則、またその精神を踏みにじり、憲法の解釈を大幅に
変更することによって、国家が恣意的に権力を行使することを容認するものであります
。しかもこの法案の柱の一つとなっている集団的自衛権の行使については、圧倒的多数
の憲法学者が憲法9条に違反していることを指摘しています。またこの法案は「国民の
生命と安全を守るため」と謳っていますが、むしろ近隣諸国との緊張を高め、戦争状態
を引き起こす要因にもなりかねません。
もし我が国が危機的状況に直面することがあるならば、大国との同盟関係に依存する仕
方で乗り越えるのではなく、憲法9条の戦争放棄の原則に従い、平和を平和的手段によ
って追求し、実現することを強く訴え、求めます。
よって、わたしたちはこの法案の廃案を要求いたします。
「剣を取る者は皆、剣で滅びる」(マタイによる福音書26章52節)。