「佐賀災害支援教会ネット」発足 九キ災「豪雨災害情報共有会議」で報告

九州北部、中国地方を中心に降り続いた8月の大雨による被害発生を受け、16日から佐賀県武雄市にスタッフが現地入りし、支援活動を開始していた九州キリスト災害支援センター(九キ災)は、23日「2021年8月九州豪雨災害情報共有会議」をオンラインで開催した。被災支援の現状とともに、今回「佐賀災害支援教会ネットワーク」(以下、佐賀教会ネット)が発足したことが報告され、今後の活動の方向が共有された。

浸水家屋の片付け

九キ災理事の竹崎光則氏の開催の祈りに続いて、同じく理事の横田法路氏がⅡコリント8章1〜9節より奨励した。
「日本各地で豪雨による災害が頻発している。支援活動は容易ではなく、困難な戦い。被災者を第一に考えるのは当然だが、ここでパウロが繰り返すように、支援する側にとっては、その働きが恵みのわざであることを覚えたい。本来私は支援などできる者ではなく、生まれ持っての性質もなく教育もされていない。しかし、キリストが貧しくなることによって富む者とされたという、恵みを教えられたからこそ、支援の働きに与(あずか)らせていただいている。この恵みとしての働きは横に広がり、教会相互に支え合っている。日本の教会は少数だが、働きの大きさではなく、世の光を輝かすものとして、ともに恵みのわざに与りたい」
日本バプテスト連盟嬉野キリスト教会(佐賀県嬉野市)牧師の藤野慶一郎氏は、「14日未明から雨が激しくなり、4日で千ミリの雨が降った。嬉野市内に大きな被害はなかったが、海抜の低い武雄市や大町町で被害が出た。2年前の水害では床下浸水程度だったところが、今回は2階まで水が上がった。幸いに地域の教会に被害は出ていないが、教会関係者には被害が出ている。コロナ禍で被災者支援のボランティアは、県外から来てもらうのは難しい状況。九キ災と連携して地元で協力し合いながら進める。これほど早く2度目の災害に遭うとは予想していなかった。災害ごみの集積場には、先回買い替えたと思われる、まだ新しい家財が散見された。住民の間にも、今後どうするか迷い、悩みがある。私たちも気持ちが萎えてしまいそうになる中、支援に感謝したい」。

はがした床板をトラックへ

日本神の教会連盟佐賀神の教会(佐賀市)牧師の相原典之氏は、「2年前の水害時に横田氏から、地域で災害に備えるための声をかけてもらっていた。以前からあった牧師会をベースに19日にオンラインで会議を開き、佐賀8人、長崎から3人、九キ災から5人が参加。佐賀7教会の牧師が発起人となって『佐賀教会ネット』が発足した。九キ災と連携しながら活動するが、ボランティアは県内から募ることになる。なるべくワクチン接種を終えた方を、ということになるのではないか」。
九キ災本部長の市來雅伸氏は、「九キ災の働きは地域の教会の後押し。今回武雄市にベースを開設して、熊本地震からの経験を持つスタッフの中から諸藤栄一現地ディレクターが立てられた。当面の作業は被災家財の搬出と家屋のメンテナンス。避難所に入っての支援は、コロナ禍の状況では難しい。佐賀の社会福祉協議会が個人ボランティアを、佐賀災害支援プラットフォーム(SPF)が支援団体の取りまとめを行っているので、九キ災は、SPFと佐賀教会ネットと連携しながら活動する。当面の活動期間として9月末を想定しているが、必要に応じて延長する。県外から入るのだから、1週間に一度のPCR検査は必須。簡易検査でなく、病院での検査を考えているので、それだけで60万円程度が必要。全体として400万円規模の予算を見込んでいる」。

床板のはがし作業

献金の受付は、佐賀教会ネットが法人格を持っておらず口座開設ができないため、九キ災が窓口となることが決定された。
質疑、意見交換ののち、参加者全員が、被災地の癒やしと回復、支援活動を通してキリストの愛に人々が触れるように、佐賀県の教会の一致、九キ災の働きとスタッフ、コロナかでもボランティアが集まるように、日本宣教の土壌が改良されるように、一斉祈祷を行い、キリスト全国災害ネット世話人代表の北野献慈氏が閉会の祈りをした。
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この「情報共有会議」は今後も継続される。参加希望者は九キ災までメールで連絡を。指定献金希望者は、九キ災までメールで連絡の上、▽ゆうちょ銀行【記号】17420【番号】81598531、▽振替口座01720・5・169579へ。口座名義人は「NPO法人 九州キリスト災害支援センター」。クレジットカードによる寄付は、URL https://congrant.com/project/kyuki/1628から。