オンラインでhi-b.a.70周年記念本大会開催 47都道府県で活動 のビジョン掲げて 高校生伝道に働き人を

「日本にいるすべての高校生に福音を」をビジョンに1951年から宣教を行ってきたhi-b.a.高校生聖書伝道協会=以下hi-b.a.=(川口竜太郎代表スタッフ、中台孝雄代表役員)は、今年70周年を迎えたことを記念し、「hi-b.a.70周年記念本大会」を9月23日、オンラインで開催した。当初は会場とオンラインとの同時開催を予定していたが、東京が緊急事態宣言下のため、オンラインのみでの開催となった。

hi-b.a.は high school born againers(新生した高校生たち)の略。米ニューヨークに本部を持ち、日本では1951年から、ケネス・クラークさん、ジョン・マイヤーさん(故人)という2人の宣教師によって高校生伝道の働きが始まった(現在は日本の宣教団体として独立)。

歴代のスタッフたち

当日は、そんなhi-b.a.の始まりから今日に至るまでの70年の歴史を写真で振り返った。ナレーション では、「70年間、ひたむきに主と共に歩み続けてきた道は、決して平坦なものではなかった。数々の試練、困難があった。しかし、その都度神様に信頼し、日本の教会の傍らに立つことを願い続けた。私たちの活動がここまで守られたのは、支えてくださる多くの祈りがあったから。そして神ご自身がその祈りに答えてくださった」と語る。
初めに中台氏が挨拶。「hi-b.a.が宣教を開始して14年目の65年、私は高校生として集会に参加し、以後16年間、卒業生、スタッフとして奉仕させていただいた。だが、30周年の81年に一教会の牧師となり、以後25年間hi-b.a.と離れていた。2006年、宗教法人の責任者にとの依頼を受けて戻ってきたが、その目的の一つに昔のことを知らない若いスタッフの代わりに、知っている私が天に戻られる元スタッフたちに心からの感謝を述べ、送り出す役割があるのかなと感じている」
「昨年は堀内顕先生、今年8月には大竹一行先生が天に戻られた。お二人を映像でしのびたい」と、二人のスタッフ時代の写真が映し出された。

現スタッフらのために祈る福田氏

続いて、スタッフのスズキ知恵子新地域コーディネーターが、12年に与えられた「50年までに47都道府県で高校生伝道の活動の拠点を置く」というビジョンの途中経過を報告。「『日本のすべての高校生にキリストの福音を』というビジョンを、これまで100人を超えるスタッフが進めて来た。クラーク宣教師来日時の高校の進学率が42・5%で200万人弱だったが、現在は97%超、約317万人の高校生がいる。一方、日本の諸教会における高校生の数が減少し、次世代宣教の重要性を私たちも真摯に受け止めている」
「9年前の12年は、集会活動が関東、関西、東海で26集会だったが、19年には福岡県、石川県、青森県にも広がって39集会になり、20、21年には青森県内で三つ目の集会が、そして北海道でも始まった。実際は順調に来たわけではなく、地震や台風といった自然災害、スタッフの異動など、想定できないこともたくさんあった。特に昨年からの新型コロナで活動の三本柱である定期集会、特別集会、キャンプを従来のように行うことが困難になった。そんな中オンライン宣教が四つ目の柱になっていった」

挨拶するクラーク氏(左))

「今後は東北、沖縄、中国四国地方の高校生、働き人に出会いたいと願って動いている。そして、50年までに高校生伝道のバトンを確実に次世代に渡していかなければならない。収穫の主に働き人を送ってくださるようにぜひ祈ってほしい」と要請した。
スズキ氏の報告の後、現役のスタッフが一人ひとり紹介され、元スタッフだった福田崇氏(日本ウイクリフ聖書翻訳協会「聖書活用・宣教協力」担当)が現役スタッフのために祝福の祈りをささげた。
続いて、元スタッフたちが動画を通じてコメント。最後は創立者で、現在90歳を超えるケネス・クラーク氏が「70年?
信じられない。神様に、教会の皆様に感謝する」と、流暢(りゅうちょう)な日本語で感謝を表した。「方法は時代と共に変わるが、メッセージは変わらない。天地万物をお創りになった方は、私たちを愛し、この大事な福音を託してくださった。私たちはイエス・キリストの証しをもって死に至るまで従おう」と語りかけた。
福田氏は奨励で、戦後の日本宣教を振り返り、こう語った。「hi-b.a.の活動は米国主導の連合軍占領下にあった時に始まった。日本宣教は宣教師が持っていた宣教観、教会観により進められた。すなわち、伝道により決心者が導かれ、群れが形成され、外国資金で会堂が建設され、日本人牧師が招聘(しょうへい)される。日本では一会堂、一牧師のモデルを守ってきた。だが、キリストの弟子を育てるという考えが少なかった」
「ローマ帝国ではキリスト教が公認されるまで300年かかった。150年ではクリスチャン人口は0・07%。プロテスタント宣教150年の日本はまだまだ地道に歩む時、教会が日本の隅々に根をはる時。日本の教会は衰退の下降線をたどっているようだが、災害や迫害の中でも生き抜いている。使命を果たしていく教会のあり方が求められている」と語った。
その他、日本福音同盟(JEA)理事長の石田敏則氏の挨拶、今年4月から始まった北海道集会の高校三年生の証しがあり、hi-b.a.柏集会卒業生でもあるゴスペルシンガーSamuell Soungが70周年を記念し作詞作曲した曲が披露された。

クリスチャン新聞Web版掲載記事)