石巻市で活動するキリスト教支援団体合同で11日、渡波Family 3.11希望と祈りのコンサートが開かれた。会場は同市渡波地区の支援団体神族ベース。地域から120人、ボランティアを含め全体で150人以上が集まった。

 午後2時30分開始予定だったが、1時間以上前のリハーサルからから人々が集まった。午後2時46分には町に響くサイレンの音に合わせて黙祷した。ゴスペルシンガーの上原令子さんがゲストとなり、「涙そうそう」「ふるさと」を歌うと、会場でも涙ながらに声を合わせる人たちの姿があった。
 支援に参加した牧師はメッセージでマタイ11章28節から「神様はわたしたちと悲しみを共有し、慰め、わたしたちに希望を与え、前に進ませてくれる」と語った。
 全体で1年間に起きたことを分かち合う時間を取った。すると今回初めて教会の集まりに参加した人が立ち上がり、「地震があって仮設住宅に移ったが、なかなかこちらに足が向かなかった。親族が亡くなっていないので、行政の行事には参加しなかったが、知り合いに誘われこちらに参加し、本当に慰めを受けた。前に向かって歩んでいきたい」と涙ながらに話した。それぞれの話しがあるたびに、その人のためにクリスチャンが祈るという方式でやり、最後に全体で祈った。集会後は食事会も催された。
 
 渡波地区で活動する教会団体は渡波キリスト教会、グレースミッション東北、Be One Tohoku Aid、アライアンスミッション、JECA本郷台キリスト教会、神族、カルバリチャペル、アメリカ福音自由教会など多く集中している。グレースミッション東北の青柳聖真牧師は「それぞれ背景は違っていて1つの教会になることは難しいですが、愛と尊敬に満ちた一体感がある、ただのネットワーク、ミーティング以上の交わりを持つ『渡波ファミリー』と呼んで協力し合っています」と語る。

 祈祷課題として青柳氏は「産業復興や建て直しなど物質的なものとともに、霊的な復興がなされるように。キリスト教会が先頭にたち、中心になりながら地の塩、世の光として協力して働けるように」、池田恵賜牧師(本郷台キリスト教会)は「クリスチャンが震災のため傷ついた方々の隣人となり、神の愛を実践していくことが出来るように」と祈りを求める。

写真上は青柳聖真氏より、写真中、下は池田