多くの人が得も言えない壮絶な経験をした東日本大震災から1年が経過した。被災者自身が様々な思いを言葉に綴った詩集、短歌集などが各地で刊行され、詩人、アーティストらも震災後の表現について模索している。

  東北地方のブロック紙河北新報は、震災1年を前に「ありがとう」の思いを託した詩を公募した。50編を選び詩集として『ありがとうの詩』を刊行、そのうち8編に宮城県ゆかりの音楽家たちが曲をつけ演奏した。
 作曲演奏にクリスチャンも参加した。宮城県出身のゴスペルシンガー岩渕まことはユーモアあふれる「ボランティアのMr.ポールへ」を夫婦のデュオで、仙台を拠点とする賛美グループWingsの高奈秀匡(ひでまさ)は「愛の絆にありがとう」を教会メンバーとのコーラスで演奏する。河北新報社 1,050円税込 A5判  付録CD 全8曲 朗読5編

 Wingsの高奈美香は、震災後避難所での暮らしを経験し、表現する意味を問い直したという。様々な出会いの中で活動を再開している。

ありがとうの詩ホームページ http://www.kahoku.co.jp/arigato/
Wingsホームページ http://jwings.com/

 Wingsの震災後の歩みなどについて本紙5月予定のアーティスト特集で掲載します。【詳しくは紙面で】

写真=『ありがとうの詩』を手にするWingsの高奈夫妻